忘れたくない3【YG・JM】

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「“この前Aさんを診察したんだけど…
典型的な鬱の症状なのは間違いないわ。
表情が無くなるって言うのは、一瞬違う病気も疑ったけど、その病気は遺伝とか先天的な物だから無いと思うの。
鬱の人って、表情が乏しくなるのは勿論あるんだけど、笑顔を作る事すら出来ないって言うのはちょっとね…。記憶も曖昧だって言ってた。
次の診察の時にもっと詳しく話を聞こうと思ってるけど…。
問題は、その同僚さんよね…
そっちをどうにかしないとAさんも回復しないのよ。”」


「“兎に角、佳織の事は俺も改めて考えてる最中なんだ。
今の職場でも色々やってるみたいだから…。
だから、少し待ってくれないか？”」

《“勿論です。
ただ、俺らが日本にいられるのがあと6日なんです…”》

「“そうなのか…
いる間に何とかなれば良いんだけどな…。”」

「“私も、出来るだけ協力するから。
後ね、そのジミン君…だっけ？
ちゃんとケアしてあげてね。
今は一番傷付いてると思うから。”」

《はい…分かりました。》


時間も時間で帰る事を告げる。


「“わざわざ来て貰ったのに、役に立てなくて申し訳ない…。
一つ言える事は、無理にどうにかしようとは思わない方が良いって事かな…。
ますますドツボに嵌まる可能性があるから…。”」

《“はい…。
こちらこそ、今日はありがとうございました。”》

「“じゃあ、送るよ。”」


…………………………………


「“本当、来てくれたのに悪かった…”」

《“いえ、話を聞いて貰えただけでも有り難いです。”》

「“Aの事は、うちの嫁に任せても良いと思うんだ。
後は、義理のお姉さんもいるしな。”」

《“そうですね。
そこについては安心してます。
仕事も休めてるみたいだし…”》

「“その…変なこと聞くようだけど…
何でそこまでしてくれるんだ？
君達には特に関係の無かったことなのに…”」

《“ヒョンの叔父さんとAさんが知り合いで、ヒョンが昔から会いたかったみたいで今回来たんです。
俺らは引っ付いて来ただけなんですけど。
それに、何かがあるのは韓国に居た時から知ってました。
こんな事になってるのは想像出来なかったですけど…
だから放っておけなくて…”》


「“そっか。
楽しい旅行になる筈だったよな…
こんな時にAと佳織が再会するなんて、神様なんか居ないって証明してるようなもんだな(苦笑)
良い事が起きれば神様には感謝するけど、今は呪わしいよ……”」


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