形だけでも［完結］ (ページ8)

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着替えページ8

あの後、吉田先生は私の荷物を持って戻ってきた。
結局松村先生は自分で自分の荷物を取りに行った。

その時に、吉田先生と話した。

吉田｢松村先生に随分気にかけてもらってるのね。｣

『まぁ、1年の時も担任だし…』

吉田｢あの人はみんなに優しいの。あんただけじゃないから勘違いしないで。調子乗らないでよ？ガキのくせに｣

＿＿

松村｢おーい、大丈夫？｣

『んー』

私は松村先生の車の助手席に座りながらさっきのことを思い出していた。

吉田先生は松村先生のことが好きなのかな。
それにみんなに優しいって、私以外にも、その…。

松村｢お前の父親いつ帰ってくんの｣

『あ…今日は残業だからめっちゃ夜中』

週に2回、不定期にやってくる残業の日は必ず平和な夜になる。その代わり休日は家にいたら地獄だけど。

松村｢着いた。歩ける？｣

『歩ける』

ジャージのままフラフラと歩きながら、マンションのロックを解除して先生を部屋へ招き入れた。

松村｢荷物ここ置くぞ｣

『んー』

早く着替えて寝ちゃおう。

『先生、ありがとね』

私は部屋着を取り出しながらお礼を言ったけれど、

松村｢なに帰る前の挨拶みたいなのしてんの？まだ帰らねぇよ｣

どうやら先生は看病してくれるらしい。

『先生、着替えるから…』

松村｢あぁ、あっち行ってるわ｣

『ちがう…』

せっかくなんだから、甘えさせて欲しい。
こんな時くらい。

松村｢あぁ、手伝って欲しかった？笑｣

『…うん』

でもいざ言われるとちょっと恥ずかしかったり。

松村先生は私のジャージのファスナーをおろして脱がせてくれて、次に手をかけたのは体操服。

松村｢はいばんざい｣

あぁ、やばい。

体操服が脱がされて顔を上げると、じっと目が合う。

そのまま抱きしめられて、体操服のハーフパンツにも手をかけられ、下ろされた。

着替えてるだけ…。

下着と、その上に着ているキャミソールだけの姿の私。

そして、

松村｢もっと楽になることしてあげよっか？｣

耳元で囁かれた言葉に私が頷くと、お姫様抱っこでベッドの上に連れてこられて…

目が覚めた時には19:00。先生はいなかった。
ご丁寧に部屋着を着せられ、机の上には

″冷蔵庫に食べるもん入れたから″

のメモ。

私が復活する頃に、先生が風邪を引いたのは言うまでもない