あでぃしょなるたいむ 2−3 ページ43
＜Erinnerung＞
11年前＿
熱を出し、兄の帰りを待つ家の中で窓の外に見える景色を見て
思わずといったように呟いた
『お友達、いいなぁ…』
でも…
私は体が弱いから、一緒に遊んでくれる人もいないよね
そうやって卑屈になるのが良くない事だってわかっては居るけど…
自分も外に出て思い切りはしゃいで遊んでみたい
ずっと家にいるラファエラにとって、“外で遊ぶ”という事には多大な憧れがあった
お兄ちゃんも、外に出ればフットボールができる友達がまた他にいる
ママはそのままでも女の子らしくて良いって言うけど
お外に出て遊ぶのはやっぱり、男の子が好む事なんだろうか…
だったら私は、お外にも遊びに行ける男の子の友達が欲しいな
『…いいなぁ』
「何がだ？」
外の景色に気を取られすぎて部屋に入ってきた人物に気が付かなかった
『ぁ、お兄ちゃん…お帰り』
「あぁただいま、ちゃんと布団かぶってないと治らないぞ」
自分の些細な願望を、兄に打ち明けてしまっても良いんだろうか…？
迷惑じゃないかな…
帰宅報告をした兄は“話は終わってないぞ”と言わんばかりにこちらを待っている
『い、言いたくない…お兄ちゃんにはいわない…！』
「…はぁ？なんだよソレ、俺に言えない事なんてないだろ」
『あるもん、今言えないんだから…！』
「俺はお前が心配で＿」
『なんにもないの！おやすみ！』
…あぁ、こうなっちゃったかぁ…
兄妹揃ってなまじっか頑固で我儘な所があるだけに、どちらかが折れないとたまーにこういう喧嘩が起きてしまうのだ
そう言う時、罪悪感に苛まれるのは大概妹のラファエラの方なのだが…
『でも、今回ラフィは悪くない…』
お友達が欲しい、外に出て遊びたい
そう兄に伝えたところで…
身体が良くならないと外には行けない
話し相手も遊び相手も、俺が居れば済むだろ
そんな返答が来ることはラファエラにも理解できている、だって妹なので
しかも、意地を張ってしまったのは
兄に迷惑をかけるわけには行かないという可愛い妹心からだ、ちょっとくらい許してくれても良いのに…
その喧嘩は人生で一番くらい長引いて＿
1週間
ラファエラはミヒャエルの口を聞かなかった
空気の悪い兄妹に痺れを切らした母が話を聞きに来た
何故こんな喧嘩になってしまったのか
元を辿れば単純だ
『だって、ラフィも友達が欲しかったんだもん…！』
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白昼夢(プロフ) - らむねさん» 以前もコメント送ってくれた方ですよね！そういったコメント貰えるだけで書く気力になっています！頑張ります！！ (2023年3月24日 12時) (
レス) id: 5ec7d98280 (このIDを非表示/違反報告)
らむね - 続編おめでとうございます！！この小説ほんっとうに良きですね・・！無理しない程度に頑張ってください！！ (2023年3月24日 8時) (レス) id: 41465224bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白昼夢 | 作成日時：2023年3月24日 1時
