あでぃしょなるたいむ 1−4 ページ30
『ほ、んとに…おにぃちゃん？』
「あぁ」
『…なんで、髪の先っぽ青いの？』
「染めたからな」
『首のバラは…？』
「タトゥーだな、彫った」
『でもお兄ちゃん、そんなに大きく無かったよ…』
トントン拍子に進んでいた会話は大変答えづらい質問で一時停止した
「あー…まぁそれは気にすることじゃ無いだろ
…正直俺も分からんしな」
ちなみに最後の一言は限りなく小声である
妹の前では何でも知ってる頼れるお兄ちゃんで居たいので…
『…ん』
考え込んでいたみたいだが、踏ん切りがついたのか
やっとのことでカイザーの手を取った
「よしいい子だ、おいで
一緒に説明しに行こう」
『わ、高い…』
急に抱えられて視界が変わる
いつも知っている高さでは無かったので殊更に驚いたようだ
「ノア！ラファエラが＿＿」
その場から指導者に向かって声を張り上げた
カメラに映らないようにという兄なりの最大限の配慮、過保護である
棟の責任者に特例として話を通し、ドイツ棟のカメラ及び配信は一時中断という措置をとった
人間的には関係者としても、子どもを練習に入れる訳にはいかない…
ラファエラ(子ども)は、選手達が鍛えている間ベンチで座って待っていた
幸い、トレーニングは残り少しで
何か起きるかもしれない、という心配は無事に完了したことで杞憂となった
「…軽いな、今7歳くらいか？」
『うん…
あの…え、とねお兄ちゃ…』
兄に片腕で抱えられ、距離はほぼ0
何か言いたそうにしているのを見たカイザーは、優しい声色で続きを促してやる
「なんだ？遠慮せず言ってみろ」
『＿カッコよかった…！！』
顔を真っ赤にして漏れたのは純粋な称賛だった
一度口から出ればもう止まることはなく、吃りながらも誉めの言葉が出るわ出るわ…
『それでね、さっきのシュートも凄かっ＿
むぅ…お兄ちゃん、ちゃんと聞いてて
ラフィが話してる…！』
「…本当にラフィは俺の事が好きねぇ？」
『うん！お兄ちゃんが一番カッコいい、大好き！』
「真っ直ぐなブラコンだ……」
「あいつ、ガキの頃あんなだったんだな…」
『…ママが言ってたもん
貰ったものは同じ大きさで返しなさい、って』
「…つまり？」
「兄貴が自分の事好きなのは知ってっから、自分もそうやって返してんだろ」
「ハッ！シスコンだから返してやってるって事かよ」
「世一殺すぞ」
＜ピッチに降りる前は＿＞
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 856人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白昼夢(プロフ) - らむねさん» 以前もコメント送ってくれた方ですよね！そういったコメント貰えるだけで書く気力になっています！頑張ります！！ (2023年3月24日 12時) (
レス) id: 5ec7d98280 (このIDを非表示/違反報告)
らむね - 続編おめでとうございます！！この小説ほんっとうに良きですね・・！無理しない程度に頑張ってください！！ (2023年3月24日 8時) (レス) id: 41465224bb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白昼夢 | 作成日時：2023年3月24日 1時
