あでぃしょなるたいむ 1−3 ページ29
「…ぇ」
「…嘘だろ」
「マジか…」
「冗談、とかでは無いんですよね…？
同姓同名という線は＿」
『ラフィと同じ名前の人がいるの…？』
ここで全員の考えはおそらく一致した
“…これ、本人だ”と
「え、と…
確認の為にキミのこと教えて欲しいんだけど…」
『んん゛…』
雪宮がなるべく刺激しない様に優しく話しかけるが、全力で首を横に振られた
先ほどまでの警戒心の高さを見ると、妥当な反応だと言えるだろう
「じゃあ、一緒に
僕たちは貴女に触れない様にするので」
『おにいちゃんの場所、知ってる…？』
「はい、なので着いてきてくれませんか？」
『い、きます…』
やっとで肯定の返事がもらえた
何故か友好的な態度を受けているネスが“これ以上話を伸ばすな”と言わんばかりの目線を寄越したことで、青い監獄達も渋々動き出した
触らない様にするというのは、ネスが決して子どものことが嫌いな訳ではなく…
手を繋いだり抱き抱えたりしていると、万が一の事態になった時、抵抗する事が出来ない
この子に逃げる手段を残す為に考えた応急的な策だ
まぁ例え本当に同姓同名だったガキでも、カイザーが見れば正誤の確認は取れる
ネスとしてはより早くこの事態を解決せねばならないのだ
他でもない己の皇帝の為
トレーニングルームに向かっているが
常に2m以上の距離が空いている
「心の距離…」
そうとも言える
「着きましたよ、ここです」
ぞろぞろと群をなして目的地に辿り着いた
だのに、中々入ってくれない…
子どもの目線から考えれば、無機質な灰色の大きな扉はさぞ威圧的に感じる事だろう
「…開くのを待ってるのか？」
サッカー野郎達は察しが悪かった
謎の沈黙の後、ちょっとズレた答えに行き着いた黒名が先に出てドアを開けてやる
「…遅かったな、ネス」
開くと同時に兄(推定)のミヒャエル・カイザーが現れた
「すいません、カイザー
ですが…あの」
「あ？」
珍しく歯切れの悪いネスの返答を疑問に思ったのか、彷徨った視線の先を見た
「……ラファエラ？」
『…お、にぃちゃ…？でも、あれ……？』
2人揃って状況が分からなくなったが、いち早く理解したのは兄だった
「ラフィ、俺が分かるか？整理がついたら俺の手を取って」
片膝をつき目線を合わせる王子然とした姿勢
「オイ、誰だアイツ…」
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白昼夢(プロフ) - らむねさん» 以前もコメント送ってくれた方ですよね！そういったコメント貰えるだけで書く気力になっています！頑張ります！！ (2023年3月24日 12時) (
レス) id: 5ec7d98280 (このIDを非表示/違反報告)
らむね - 続編おめでとうございます！！この小説ほんっとうに良きですね・・！無理しない程度に頑張ってください！！ (2023年3月24日 8時) (レス) id: 41465224bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白昼夢 | 作成日時：2023年3月24日 1時
