あでぃしょなるたいむ 1−1 ページ27
＜この子どこの子？＞
ある日のドイツ棟
次の試合に向けて研鑽を積む期間
なんの異常もなく今日も終わっていく＿
…筈だった
「だ、誰かー！！！廊下で子どもが泣いてんだけどー！！！」
結果＿
「子ども？別棟の小柄な選手とかじゃなくて？」
「幻覚…？」
「疲労、疲労…トレーニングもキツくなってきたからな」
「ハッ、もうちっとマシな嘘つけよなイガグリ！」
誰も信じなかった
本来あり得ないという先入観か、五十嵐栗夢の信用の無さ故か…
「お前らァ！？信じろって！
ガチなんだって！ちょっと着いてこいよ、ホントに居るから！」
「…メイちゃんかよ」
「”本当に見たもん“ってか？」
「可愛く無い幼女やわぁ…」
五十嵐栗夢は信用だけじゃなく、周りからの配慮も無かった
それはそれとして
このままでは折角の休憩がイガグリの怒号で台無しになってしまう
世界規模になった青い監獄ではトレーニングの内容もよりパワーアップした
だのにおちおち休めもしないだなんて…
なんとしてもそれだけは避けなければならない
そんな打算はあるものの、正直彼の言う“子ども”にちょっとばかり興味があったのも事実
何故ならこれまでこの監獄で過ごしてきたが、そんな事例は一度も無かったから
まぁ…怖いもの見たさ、的な部分が大半を占めていたのだ
結局彼らは言われるままトレーニングルームを出て、目的の廊下までイガグリのあとをぞろぞろと歩いていった
『……ず、…ひぐっ…ぅ、うっ…』
「ヒッ、場所移動してる…！」
「生きてりゃ場所ぐらい動くだろ…」
見つけたのはもう少し先に行った場所だったようだが、思ったより近くから声が聞こえた
堪えるような、啜り泣く声だ
まだ目標の姿は見えていないが、泣くような人間がここにいる訳がない…
イガグリの言い分は間違っていなかったのか…？
やっとで、話を信じ始めた
声はこの先の廊下を曲がった所から聞こえるらしい
角からそっと頭を出して覗き見る
まるでトーテムポールだ
そこから見えたのは＿
「ほんとにガキじゃねぇか…！」
「…迷子になったんやろか？」
『っ！？…だ、れ』
子どもが気付いた
警戒心が高いのかそれなりに怯えている様子だ
「…どうする？」
「知らね」
「マスターには連絡しなきゃだろ」
「貴方達何やってるんです、邪魔ですよ」
大変癪だが、救いの船となったのはネスだった
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白昼夢(プロフ) - らむねさん» 以前もコメント送ってくれた方ですよね！そういったコメント貰えるだけで書く気力になっています！頑張ります！！ (2023年3月24日 12時) (
レス) id: 5ec7d98280 (このIDを非表示/違反報告)
らむね - 続編おめでとうございます！！この小説ほんっとうに良きですね・・！無理しない程度に頑張ってください！！ (2023年3月24日 8時) (レス) id: 41465224bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白昼夢 | 作成日時：2023年3月24日 1時
