42.今君に ページ5
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東京卍會は女子供に手を出すようなチームじゃない。というか、一般人を相手にしない。そんなチームだ。だが、悲しい事にそうじゃない輩もいるのが現実である。チームの1人が訳も分からぬ小学生にやられたと躍起になる。汚い事に束になって少女2人を襲う。
咄嗟に2人を庇うように動いた三ツ谷くんよりも先に姉妹の方が先に動いた。妹の手には手作りと思しきパチンコと泥団子。姉の手には水鉄砲と催涙スプレー。
2人が同時に目の前の不良目掛けて攻撃する。
「っ、んだこれ!?泥水!?」
姉の手に握られた水鉄砲の中身は茶色い液体。よくもまぁ、こんな戦い方を思い付いたもんだ。完全にノすことは出来ないが、戦意を奪うことくらいはできたらしい。
そして、小さな姉が妹の手を引いて向かった先は一つだった。
「マイキー!セッショウはいけないよ!」
「マイキー、めっ!」
人が変わったかのように一虎を殴るマイキーの前に姉妹が立ちはだかる。「どけ」と短く言い放つマイキーに姉妹も引く素振りは見せない。
「あのね、マイキー……」
「下がってろかA。ハル、そいつから離れろ。」
マイキーと一虎、それぞれを抑えるように立った姉妹。自分達よりも遥かに小さいはずの2人は自分達よりも大人に見えて、俺たちよりもずっと大人みたいな時がある。それが今まさにそうなのだ。
「マイキー、おにーさん、ちゃんと聞いて。」
まるで母親が子供に言い聞かせるかのような口調に思わずマイキーな固く、力の入った拳が少しだけ緩んだ。
「場地くん、トーマンのことキライになんてなってないよ?裏切ってなんかないよ?マイキーのこともおにーさんのこともトーマンのこともすごく大事にしてる。すごくすごく大好きなの。」
少し、少しずつマイキーの目が戻っていく。一虎の目に光るものが映った。
「トーマンを抜けたのも、おにーさんがひとりぼっちにならない為にしたの。場地くんは、おにーさんとマイキーを仲直りさせたかったんじゃないかなぁ?トーマンのみんなが、2人が大好きだから、大好きな人達がケンカして、片方が死んじゃうなんて、1番望んでないよ。」
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あう(プロフ) - shiochanさん» ありがとうございます!拙すぎる文章ですが、これからもどうぞよろしくお願いします(土下座)私自身がハピエン厨、ハピエン大好きマンですので笑この先も楽しく読んでいただけるよう頑張ります! (2021年9月5日 21時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
shiochan(プロフ) - 面白さもあって楽しく読ませて頂いてます。ハッピーエンドと書いてあったので、嬉しいです(^^) 応援してます。頑張って下さい^_^ (2021年9月5日 20時) (レス) id: 51856805e1 (このIDを非表示/違反報告)
あう(プロフ) - あーゆーさん» リクエストありがとうございました! (2021年8月22日 22時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
あーゆー - ひんと→ほんと です。嬉しすぎて誤字になってしまいました…。すみません。 (2021年8月22日 19時) (レス) id: f98a04dc60 (このIDを非表示/違反報告)
あーゆー - ひんとですか!? めちゃくちゃに嬉しいです! 有難うございます! (2021年8月22日 17時) (レス) id: f98a04dc60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あう | 作成日時:2021年8月5日 13時