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Aのスマホに1本の電話が入った。相手は直人だ。合わせたい人がいるから来てくれとのこと。ネットカフェの一角でAは伸びをして荷物をまとめ店を後にした。外へ出れば冷たい風が刺激する。
2018年1月。Aは12年前の知り合いと会う。東卍メンバーが皆いなくなった今、彼と会う、という事がAにとってどれ程の事だろうか。
「直人くーん。来ましたよーっと。」
「急に呼び出したりしてすいません」と頭を下げた直人の隣に立つ人物を見て息を飲んだ。東卍メンバーはみんな死んだ。マイキーに殺された。それでも1人だけ、殺されていない東卍メンバーがいた。壱番隊隊長 花垣武道。
「え…っと……A…ちゃん?」
「うん。」
「見た目が…その、すごく変わってて驚いたよ。」
「私も驚いてる。」
音信不通だった人物との再会。驚かない方が無理な話である。
「その、聞いたよ。直人から。情報屋やってるって…」
「うん。直人君、タケミっちにどこまで?」
どこまで?というのはどこまで話したのか、と聞いているのだろう。見たところカタギのようだ。まぁ、裏の仕事をしていた、あるいは東卍だったならばとっくに消されてるか、Aによって居場所を突き止められている。
「皆さんが佐野万次郎によって殺害された事も知っています。」
「そっか。」
Aとしては微妙な気持ちだ。だって、みんなの情報を売ったのは他でもない自分なのだから。自分もみんなを殺したようなものなのだ。マイキーはどうして自分だけ殺さないのだろう。その疑問は大きくなる一方だ。
東卍メンバーでなくとも、東卍と関わりのある彼女。加えて情報屋なんて命狙われる仕事している。マイキーの情報だって依頼されたら売る。そんなある意味危険な存在をマイキーは生かしてる。
「で、何でタケミっちと会わせたの?」
「本当はもっと前にタケミチ君の事を紹介しようと思ったんですが…なかなか都合が合わなくて……Aさん、信じられないかもしれないんですけど……」
と前置きをして、真剣な顔で話しかけられるもんだからこちらも身構える。
「タケミチ君はタイムリーパーなんです。」
真面目な顔でどこぞのSF映画のような事を話した直人をAは何とも言えない表情で見た。困惑、混乱、驚きといった信じられないと言わんばかりの顔をしていた。
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あう(プロフ) - shiochanさん» ありがとうございます!拙すぎる文章ですが、これからもどうぞよろしくお願いします(土下座)私自身がハピエン厨、ハピエン大好きマンですので笑この先も楽しく読んでいただけるよう頑張ります! (2021年9月5日 21時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
shiochan(プロフ) - 面白さもあって楽しく読ませて頂いてます。ハッピーエンドと書いてあったので、嬉しいです(^^) 応援してます。頑張って下さい^_^ (2021年9月5日 20時) (レス) id: 51856805e1 (このIDを非表示/違反報告)
あう(プロフ) - あーゆーさん» リクエストありがとうございました! (2021年8月22日 22時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
あーゆー - ひんと→ほんと です。嬉しすぎて誤字になってしまいました…。すみません。 (2021年8月22日 19時) (レス) id: f98a04dc60 (このIDを非表示/違反報告)
あーゆー - ひんとですか!? めちゃくちゃに嬉しいです! 有難うございます! (2021年8月22日 17時) (レス) id: f98a04dc60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あう | 作成日時:2021年8月5日 13時