68.困惑100% ページ31
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「「……は?」」
「ケンカのやり方教えて!!」
再度、ハッキリと2人の、否、この教室にいる者全員に聞こえたであろうその言葉。佐野と龍宮寺が教師ですら手を付けられない不良であるのは周知の事実。何たって東京卍會の2トップだから。生徒は愚か、教員ですら2人に近付く者はいない。
そんな2人の目の前には真剣そのものを物語る顔の小学生。健全そうな小学生があろう事か喧嘩の仕方を教えてもらおうとしている。
教師の斎藤は焦っていた。いたいけな少女が問題児2人に教えを乞うている。内容はしかも喧嘩だ。噂では佐野はたった一蹴りで何人も倒して来ていると言う。龍宮寺は何十人を相手に1人で挑み勝利を収めてたと聞いた。
教師歴も20年目に突入しようとしている斎藤。目の前のいたいけな小学生が将来2人のような問題児にならない為にも何としても止めなければならない。不良なんてものと縁の無さそうな小学生がなぜ、2人のことを知っていて、喧嘩のやり方まで教えてもらおうとしているのか、もしかして、2人にそそのかされているのか!?そんな思考をし始めた。
ならば尚更止めなければ。少女の未来を守る為。子供の純粋な心を汚す不良共に今、粛清を。
両頬を叩いて気合を入れ、大股で佐野の席に向かう。
「佐野、龍宮寺!お前らこんな子供にまで貴様らの腐った思考を吹き込むんじゃない!」
「あ"?」
佐野と龍宮寺から注がれる鋭い眼光に臆してなるものかと固唾を飲む。
「キミ、こいつらにそそのかされているのか?そうだろう?だからケンカのやり方を教えてくれなんて言うのだろう?」
「うん????」
「もう安心しなさい。私がこいつらを懲らしめてやるから。キミが不安に思うことはもう無いさ。」
少女の肩に手を置いて、自身の背中に隠すようにして少女と佐野らの間に入った。怖かろうと思って繋いだ少女の手は震えていた。やはり、そそのかされていたんだな。
「んだよ、おっさん。汚ねぇ手でAに触んな。」
「黙らないか!夜中に騒音撒き散らして、他人様に迷惑しかかけない社会のゴミが!」
しんと静まり返った教室。目の前の不良の目はギラついていた。そこに聞こえた幼い声。
「あの、さっきからおじさんの手汗がきもちわるい。ホントに、あの、うん……」
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あう(プロフ) - shiochanさん» ありがとうございます!拙すぎる文章ですが、これからもどうぞよろしくお願いします(土下座)私自身がハピエン厨、ハピエン大好きマンですので笑この先も楽しく読んでいただけるよう頑張ります! (2021年9月5日 21時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
shiochan(プロフ) - 面白さもあって楽しく読ませて頂いてます。ハッピーエンドと書いてあったので、嬉しいです(^^) 応援してます。頑張って下さい^_^ (2021年9月5日 20時) (レス) id: 51856805e1 (このIDを非表示/違反報告)
あう(プロフ) - あーゆーさん» リクエストありがとうございました! (2021年8月22日 22時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
あーゆー - ひんと→ほんと です。嬉しすぎて誤字になってしまいました…。すみません。 (2021年8月22日 19時) (レス) id: f98a04dc60 (このIDを非表示/違反報告)
あーゆー - ひんとですか!? めちゃくちゃに嬉しいです! 有難うございます! (2021年8月22日 17時) (レス) id: f98a04dc60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あう | 作成日時:2021年8月5日 13時