ご近所さんの不良さん達２【東京卍リベンジャーズ】

63．これは、ほんのお戯れってやつ。 ページ26

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｢あ、催涙スプレー切れた……｣



良くない。これはとても良くない状況だ。ゼッタイゼツメイってやつ。たぶん。困った。わたしはみんなみたいに強くないから催涙スプレーがないと困る。



｢おやおやぁ〜？ソレ、なくなっちゃったのぉ？？｣



ニタニタ笑いながら近付いてくる真っ白集団。雪みたい。顔はゴツイけど。さっきまで催涙スプレーに手こずってたのになくなったと分かったとたんに近付いてくる。どうしよ。ハルは大丈夫かなって探したけど見つからない。真っ白集団おおきい。巨人。



｢あ、そうだ。｣



なくなった催涙スプレーをポッケにしまう。わたしはパンチもキックも強くないけど、真っ白集団に勝てる方法が分かった。



思いっきり足をあげて蹴ったら目の前にいたお兄さんは涙を流してたおれた。周りの真っ白集団もビックリ。わたしもビックリ。たおれたお兄さんは大事なところを抑えてピクピクしてる。



｢このガキッ…！やりやがったァ！！｣



男の人はここをけると痛いっていうのは本当みたい。泣いてるお兄さんみたらちょっとだけカワイソーになった。ごめんね、お兄さん。これで私もみんなの仲間入り。ケンカになって催涙スプレーがなくても戦える。これが前にマイキーが言ってたタイマンってやつかな。


倒れる倒れる。大きな真っ白集団が、大事なところを抑えて倒れる。横を見たらハルは大事なところにパンチしてた。足じゃ届かないんだね。

たくさん倒せるけど、人が多い。疲れる。寒いな。



そういえばハルにマフラーも手袋も貸しちゃったんだった。手があかい。痛い。



ハァーって手を温めたら目の前のお兄さんが手をグーにして振り下ろそうとしてた。あ、ぶたれる。ギュッて目をつぶった。あれ、ぶたれない。

私の前でにぶい音がした。




｢あ、ドラケン！！｣

｢テメー、こんな所で何やってんの？｣




眉間にシワがよってる。怒ってる。




｢えっと、あ、おたわむれ？してた。｣

｢は？｣

｢おたわむれしてた。おたわむれして、真っ白集団のした。｣



はぁって大きなため息。頭に大きな手が乗ってしゃがんだ。



｢こんな危ねぇこと二度とすんな。ずっとお前らの傍にいてやれる訳じゃねぇし、守ってやれる訳じゃねぇんだからな？｣



ギュッてした。暖かい。



｢うん、ごめんね。｣

｢おう。｣



そしたら、マイキーがハルを抱っこしてこっちに来た。

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