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62.2人でやると決めたこと。 ページ25

*




「外にハルが待ってる。」


別に疲れていた訳ではないが、柚葉の手があまりにも心地よくて瞼が落ちる。だが、この子は強い子なのである。眠くなり始めた瞼を上げてとたとたと教会を出て行く。外でハルが待ってる。流石に長いこと外にいさせてしまったから、中へ入れよう。大寿くんとケンカしててアブナイけど、三ツ谷くん達もいるから大丈夫かと完結して妹を迎えに行く。



「うわ、何これ。」



教会の扉を開ければ見えたのはハルの姿ではなく、白の特攻服に身を包んだ人達。そして辺りを見渡してハルの姿がどこにもないことに気付く。「ハル!」と目の前の集団に目もくれずに呼べば物陰から出て来た子供。ハルだ。見たところ怪我も無い。



「おいおい、中からガキが出てきやがったぜ?」



ギュッとハルの手を握る力が強くなる。催涙スプレーやらを持っている為、全く太刀打ち出来ない、なんて事はないが、たったの6歳の子供が黒龍(ブラックドラゴン)の精鋭100名とやり合える訳がない。

助けを呼ぼうにも向こうは大寿相手で手一杯。助けは呼べない。パッと握っていた手を離す。



「ハル…助けて欲しくなったら大声で呼んでね。ぜったいに助けるから。」



教会に戻ったら、この精鋭達が中へ押し寄せてくる。そしたら三ツ谷らはもっと最悪の状況となる。それを、この姉は小さいながらに理解している。この、不良の世界を理解している。


この姉妹はこの精鋭とやる気だ。危険も、無謀も承知の上で。妹と共に。きっと、何も知らなかったとしたら、Aはハルに不良の相手などさせなかっただろう。


_「お姉ちゃんなんだから、ハルはAが守ってあげるのよ。」


まだ、ハルが生まれてまもない頃に言われた母親の言いつけを忠実に守っていた事だろう。それでも、この姉妹が選んだのは修羅の道だ。2人で戦うと、あの日に決めたのだ。

63.これは、ほんのお戯れってやつ。→←61.分かってるよ。



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あう(プロフ) - shiochanさん» ありがとうございます!拙すぎる文章ですが、これからもどうぞよろしくお願いします(土下座)私自身がハピエン厨、ハピエン大好きマンですので笑この先も楽しく読んでいただけるよう頑張ります! (2021年9月5日 21時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
shiochan(プロフ) - 面白さもあって楽しく読ませて頂いてます。ハッピーエンドと書いてあったので、嬉しいです(^^) 応援してます。頑張って下さい^_^ (2021年9月5日 20時) (レス) id: 51856805e1 (このIDを非表示/違反報告)
あう(プロフ) - あーゆーさん» リクエストありがとうございました! (2021年8月22日 22時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
あーゆー - ひんと→ほんと です。嬉しすぎて誤字になってしまいました…。すみません。 (2021年8月22日 19時) (レス) id: f98a04dc60 (このIDを非表示/違反報告)
あーゆー - ひんとですか!? めちゃくちゃに嬉しいです! 有難うございます! (2021年8月22日 17時) (レス) id: f98a04dc60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あう | 作成日時:2021年8月5日 13時

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