ご近所さんの不良さん達２【東京卍リベンジャーズ】

53．六本木 ページ16

*




お買い物に行こう。


そう言ったのはヒナだった。エマと柚葉とちびっ子姉妹で。そしたら武道と千冬と会ったから2人もお誘いしてみんなで行く。行き先は六本木。



｢｢ろっぽんぎ！！！｣｣


ハルとAが揃った声で言えば千冬と武道がビックリして2人を見る。



｢ろっぽんぎってあれなんでしょ？成功者の住みはたらく場所！｣

｢｢は？｣｣

｢昼間にいってもお店やってないかもよ？｣

｢｢は？？｣｣



男2人、きっと思うことは同じだろう。この姉妹、何かを盛大に勘違いしている、と。何をどう勘違いしているのかは知らないが、決していい方向に勘違いしていない。



｢お母さんの男の人が言ってたよ。"俺、六本木でクラブ持ってんの。"って。すっごく得意げに言ってた。｣



この姉妹の家庭環境は尽く悪い。子供にはNGなワードが出るわ出るわ。単語だけ知ってて意味は知らないのだからタチが悪い。そういう純粋なところでコイツらはガキなんだと再確認する。

そう言えばこの間もマイキー君達とファミレスに言った時にもこの姉妹は爆弾発言を投下していったのを思い出した。｢シジュウハッテやろう！｣なんて店でボリュームもそこそこで言うもんだから心臓が止まるかと思った。

それも当然の様に2人は意味を知らない。｢よく分からないけど名前が面白そうな遊び｣というイメージを持ったらしい。シンプルに将来が不安だ。

そして今回もそれだ。家に上がった大人達の会話を聞いて六本木によく分からないイメージを抱いているのだろう。



｢男の人が言ってたよ。ろっぽんぎは夜の街だって！｣



あ、分かった。あれだ。夜の街ってのを変な風に呑み込みやがった。夜の街といえばスナックやバーと言った酒を主に提供する飲食店や風俗街というものを指すのだろうが、この姉妹はあれだ。夜の街=夜にしかお店を開かない的な解釈をしているのだろう。

これだから変に純粋な子供は困るのだ。

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