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リーバル ページ22

「私、リーバルを呼んできます」
咄嗟に口から出た言葉に、ゼルダ姫はたいそう驚いた。
「リーバルはいつもああなので」
ちらりと空高く舞う神獣を見、視線を逸らしたゼルダ姫はまた冷たい目をしていた。

「リーバル」
名前を呼ぶと、リーバルはびっくりして、神獣の操作を少し間違えかけた様子だった。
「君、どうやってここに登ってきたんだ……!?」
「えへへ、それは内緒です」
強い風に打ち付けられる中、リーバルは目をまん丸にして私の事をマジマジと見つめていた。
が、直ぐに腕を組んで、
「とにかく、ここはボクだけの神獣ヴァ・メドーなんだ。早く降りてくれない?」
と私に指図をした。
「嫌です!」
「はぁ?」
「ご飯、皆で食べましょうよ」
打ち付けられる風が勢いを増し、そろそろ息が辛くなってきた。
「やだね、あんな奴といたら飯が不味くなる」
あんなやつとは?
少し疑問に思ったが、すぐに分かった。リンクの事だ。彼は何かと修行の時やら、任務の時にリンクの事を敵対視している。
「ご飯は皆で食べた方が美味しいでしょう?」
「……子供みたいな事を言うね、君は」
その続きはなんて言ったかよく聞き取れなかった。私の体が神獣から放り出されたからだ。
気が付くと空の風を切っており、湖の上に立つ岩へと私の体は真っ逆さまに落ちていた。
ひゅうひゅうと体を切るような冷たい風は、徐々に私の体の動きを鈍くさせていく。
「やばい」
声にならない声で下へ体を方向転換させると、すぐに風を発生させる術を唱えた。少しでも衝撃を和らげるためだ。岩に衝突する前に唱え終え無ければならない。手に汗握る中、頭上から大きく風を切る音が近づいていた。
そして、あと1mと僅かのところで、風が大きく発生し、岩への衝突を和らげることが出来た。
……が、風の所為で岩が大きく崩れる。
海への距離はあと僅かだ。体の向きを変える暇もない。
そして大怪我を覚悟した途端、何かが私の両肩を捕まえた。
ぎゅっと瞑っていた目を恐る恐る開けると、私のいる地点を真ん中に、波紋が大きく広がっていた。
大きな風が起きなければ、こんな状態にはならない。
図上からバサバサと羽の音がしていたので、視線を向けるとそこにいたのは、私の両肩を足の鉤爪で持ったリーバルだった。
「君、なんて無茶をするんだ……僕がいなければ大怪我だったよ」
はぁと面倒くさそうにため息をつく彼に、私は呆然としていた。

リーバル2→←リトの村



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設定タグ:ゼルダの伝説 , ブレスオブザワイルド , 夢小説   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:rikorisu | 作成日時:2020年3月25日 16時

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