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真っ赤 ページ19

耳に穴を開けられた。
「痛い痛い痛い痛い!!」
何してるんですかと言いかけた途端、ミファーに治癒能力をかけられ痛みが和らいでいく。
片方も同じようにされ、やっとピアスの穴を開けてくれている事に気付いた。
続きに先程くれたピアスを刺され、渡された手鏡で自分を見てみる。
私がキラキラと輝いているように見えた。
「ありがとうございます……ミファーさん!」
満面の笑みを浮かべてミファーを見るが、納得いかなそうに口をへの字にしていた。
「違う」
「へ?」
「敬語は、いらない……」
「と言いますと?」
「友達だから……」

衝撃の一言に、驚かせられながらも、嬉しくて仕方なかった。
「ミファーッ!」
ぐっと小さいその体を抱きしめると、声にならない声が聞こえた。
「嫌がられたらどうしようって思ってた……」
「そんな訳ないでしょ? 嫌いだったら助けたりしないよ」
私の言葉に瞳をうるうると輝かせるミファー。




それから私達はハイラル平原を見つめながら、故郷の事や家族の事を話し合った。
特にシドという弟の事を話すミファーは、凄く嬉しそうだった。
でももっとも嬉しそうなのは、稀に出てくる碧眼君だった。
碧眼なんてハイラルにいくらでもいる。誰の事なのか。
「碧眼君ってのは……?」
ミファーは急に話をやめ、赤面してそっぽ向く。
「なぁんだ、聞いてるミファーにも好きな人いたんだ」
ブンブンと頭を左右に振る仕草はとても愛らしい。
「誰なの?」
思い切って訪ねてみると、ちらりと訓練所を見た。今稽古をしているのは、リンクだけだ。
「分かった、リンクだ!」
謎解きのような達成感は無いが、当てられただけでも嬉しい。
ミファーは顔から湯気が出そうな程真っ赤にしてしゃがみ込んだ。
「もうこの話は終わり……! 名無しはいるの?」
「また話せる時が来たら言ってね?」
こっそり耳打ちをすると、ミファーは軽く頷いた。
「私の好きな人はね……」
コーガ様が一瞬脳裏をよぎった。
「気になる人は、いるよ……?」
「どんな人?」
「分からないけど、あの方が違う女の人と話してると、こう、胸がえぐられるように苦しくなって、汗が出るの……」
「嫉妬だね!」
「でも私の事言ってくださると、何だか嬉しくて嬉しくて……一緒にいると楽しいし……! それで……!」
ふと後ろを見ると、ダルケルがこっそり覗いていた。

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設定タグ:ゼルダの伝説 , ブレスオブザワイルド , 夢小説   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:rikorisu | 作成日時:2020年3月25日 16時

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