イーガ団の幹部 (ページ7)

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ハイラルページ7

さすがハイラル城、控室までとても豪華だ。菓子を用意されたので、一息つくと早速口に運んでみた。
美味しい。ハイラル特有の、生きたような水々しいフルーツの味が、口全体に広がる。クリームは濃厚で果実の味と見事にセッションしていて、胸焼けしてもまだ食べたくなりそうな味だった。

1時間後、完全に護衛騎士として変装した服装のシワや、ベルトの位置などを整えていると、先程の召使いが迎えに来てくれた。
「お待たせしました。儀式の準備が整いましたので、ご案内致します」
後をついていくと、扉の1番大きな部屋へたどり着いた。きっと此処が謁見の間なのだろう。
執事ふたりが開けてくれた扉を、私は意を決して一歩を前に進めた。
コツコツと良い音が鳴り響く。周りには数々の兵がいる。天井は高い構造になっているのだろう。音がよく響いた。よそ見してみたくもなったが、今はしっかりしていなくては。
ハイラル王と、その横のゼルダ姫の座席の前へ辿り着くと、跪いた。
「Aよ、よくぞ此処まで辿り着いた。面を上げい」
ハイラル王の隣には、どこか心配気なゼルダ姫が此方を見つめていた。綺麗な瞳だが、何処か濁っていて、美しくも汚れている。
私はハイラル王が儀式の言葉を述べていることには耳を傾けず、じっと下を向いている虚ろげな彼女の瞳を見つめていた。

その数十秒だけで、不安げな目が私の脳裏にじっくりと焼き付いた。
「A」
名前を呼ばれてハイラル王へと視線を戻すと、トライフォースの紋章が刻まれた、見事な短剣を差し出された。
礼をして受け取ると、
「ここにて、Aをゼルダの護衛騎士に任命する！」
わぁあと大きな歓声が上がった。照れ臭いが、歓迎されている事がこんなにも嬉しいとは思わなかった。
「明日からリンクと共に護衛騎士として、ゼルダの任務の護衛を任せる。詳しいことは下の者に聞かせておいてあるから、後で部屋へ案内された時に聞かされるだろう」
そう言うと、ハイラル王は表情を変えて
「よろしくな」
と、親友だった人の娘である私に向けて言葉を放った。