【薄桜鬼】ブラコンの妹ちゃんが恋をするのは、誰でしょう？ (ページ19)

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18話　　　斎藤side ページ19

斎藤「…ハア」

あれから屯所に戻り、Aは雪村のところへと向かった。
気まずくしてしまった時間の中で、一人取り残されたような気分がする。

原田「斎藤、どうしたんだ？」

斎藤「…左之か。実はだな、……」

左之なら、この手のことはいとも簡単に解決するのだろう。
だてに、女たらしの異名を持っていないからな。

俺は、左之にAとのいきさつを話すことにした。

原田「あちゃー…、やっちまったな。」

沖田「やっちゃたね、一君♪」

斎藤「……。」

沖田「そんなにいやそうな顔しないでよ。傷つくなぁ。」

斎藤「何故、総司がいる。」

沖田「いいじゃん、それよりやることがあるでしょ？」

総司に話したら、とんでもないことになると思っていたが、
あながちそうでもないみたいだ。

原田「お前は、あいつをどうしたいんだ？」

斎藤「助けたい。あれでは、昔の俺と同じだ。」

沖田「平助にも似てるよね。僕らには、越えられない一線があるし。」

確かに、平助とよく似ている。
あんなに人懐っこいのに、自分はもちろん誰にも超えさせない一線がある。

原田「Aは、どうしたいと思う？日常的な面で。」

斎藤「兄との仲をよくしたい…。」

原田「そこに、お前の手が差し伸べられた。次とるべき行動は？」

斎藤「その手を取る…？」

整理が、まったくついていない心が、整理されていくのがわかる。

原田「それを邪魔するものは？」

斎藤「暗殺者としてのA。」

沖田「そこまでわかったんなら大丈夫でしょ。」

原田「Aは、千鶴のところか？」

斎藤「ああ。」

沖田「なら、安心だね。こういうことは、女の子同士のほうがうまくいくもんだよ。」

原田「謝ろうとか思ってんなら、夜にしろよ？」

斎藤「ああ、ありがとう。左之、総司。」

原田「いいってことよ。」

沖田「お団子、おごってね。」

斎藤「分かった。」

Aを助けられるのなら、団子などいくらでもおごってやる。
どう謝るか、考えねば。