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二十二話「会いたい」 ページ27

「…!A!」
『…?』

声が聞こえる。
今にも泣きそうな、悲しげな声。

重い瞼を無理矢理持ち上げる。
眩しい。
真っ白。

「A!」
『……え?』

目の前に写ったのは、真っ白な天井と、泣いている私の親友。状況は理解出来ないが、とりあえず叫ぶ。

『おはようマイフォーエバーフレンズ!!!!!』
「うるせぇ!!」

頭を殴られた。痛い。思えば、体の節々が痛い。体の一部に包帯がぐるぐると巻かれていて、まるで何処ぞの包帯無駄使い死にたがりイケメンの様だ。

「覚えてる?あんた、3年前に川にダイブして、今までずっと眠ってたんだよ」
『へー、そっかそっか、あの時持ってたマイエンジェル中也のグッズ知らない?』
「手前ェ…」

手前って言葉だけで中也を思い出す。中也らぶ。

まぁ、一旦それを置いといて、真面目に今の言葉を考察すると…私が向こうの世界で過ごしたのは1年間。向こうに行くのと帰ってくるのと、つまり往復に2年間。合計で3年って事になるのだと思う。

其れは、最低でも1年は中也に会えないということを示す。なんてこった…。
今すぐ入水しよう。

「待って!!」

袖を思いっきり掴まれる。勢いで後ろに転倒。頭に激痛。絶対たんこぶ二つ目が出来る。なんてことしやがる、コイツ…。

「なんの悩みがあって死のうとしたのか知らないけど、話なら聞くから…いつでも相談して。後、怪我の完治と、カウンセリング受けるまでは退院出来ないから」

その言葉を聞いて、気づく。私は、覚悟がなかった。本来死ぬなんてごめんだし、川に飛び込んだのも、その場の勢いってやつだ。自分を思う友達の気持ちなんて、1ミリも考えたことなかった。

少々躊躇いが生じる。今度こそ死ぬかもしれない。そこまでして、愛しい現実を捨てて、二次元に行くことに、理由なんてあるのか。
だけど、



やっぱり、中也が好きだ。
キャラとしてなんかじゃなく、人として好きだ。

会いたい。

二十三話「川なう」→←二十一話「逢引(デート)したかった」



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ロイゼ@魔法契約民(プロフ) - まんじゅうねこさん» あ、ありがとうございます!!o(`・ω´・+o) ドヤァ((殴 (2018年12月24日 20時) (レス) id: e949299f29 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうねこ(プロフ) - ロイゼ@魔法契約民さん» えっ………( ゚д゚ )す、凄いですね!(( (2018年12月9日 19時) (レス) id: 5748b81071 (このIDを非表示/違反報告)
ロイゼ@魔法契約民(プロフ) - まんじゅうねこさん» 卒論の事ですか?勿論、文ストのだざさんですよ!!(`・ω・´)キリッ(( (2018年12月9日 18時) (レス) id: e949299f29 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうねこ(プロフ) - だ、太宰さんの尊さって……一応お聴きしますが、忠実の方ですよね…(( (2018年12月8日 16時) (レス) id: 5748b81071 (このIDを非表示/違反報告)
ロイゼ@魔法契約民(プロフ) - 神さん» うぇーい乁( ˙ω˙ 乁) 気付いてくれて嬉しいです! (2018年4月16日 16時) (レス) id: e949299f29 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ロイゼ | 作成日時:2017年6月6日 17時

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