YOUR IDOL. 【d.!】【合作短編集】【後編】 (ページ4)

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ふと付けたテレビ。いつもは気にも留めないアイドルの特番。
地下アイドルから成り上がり、今では大きなドームでのワンマンライブにも成功しているらしい。
今までアイドルにハマったりしたことのない私にとって、彼らもまた自分には関係のない人種だと信じて疑わなかった。

メンバー一人一人の自己紹介で、それは起こった。

「はいはーい。黄色担当のシャオロンでーす。みんな盛り上がってるか〜？」

低音でも高音でもない、鼻に抜けるような特徴的な声。思わず顔を上げてしまった。

『…！』

どちらかと言えば可愛らしい雰囲気の顔で、見た目の通りの性格かと思えばメンバーで一番ファンたちを煽っていく。
不思議な人だ。最初はそんな印象だった。

たった数秒の口上で彼に惹かれていた。

それが衝撃だったのもあり、今までにない程短時間で彼のことを、彼らのことを調べた。
しかし、私が知った頃にはもう壮絶な人気で、会いに行くのは困難を極めた。
何度も何度もチケット抽選に落ちた。落ちて落ちて、落ちまくった。
だけど、どうしても直接彼の煽りを聞きたかったのだ。

『…お願い、今回こそは当たって……！』