もみ消して冬

もみ消して 4 ページ6

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尾関「はんこお願いします。」



　






「尾関、またお手柄だったらしいな」









尾関「たまたまです」









「どうしてお前の言うことは聞くんだろうな」









尾関「うちの家、貧しかったんで。弱い人の気持ちが なんとなくわかるんです」









「それだけで立てこもり犯が次々と心開くもんなのか？」









尾関「他にも色々コツとかあるんですが。ここから先は企業秘密にさせてください」






　




尾関はニヤリと笑っていった。









「…あ、そうだ。プレゼントのことで相談があるんだけどさ」









　

尾関「も、もしかして。先輩の彼女さん宛てのですか？」








「ちげーよ」









尾関「先輩の彼女さん、美人さんだってうちの部署で有名なんです。おまけに東大卒の弁護士さんだって」









「いや、Aはどっちかって言うと美人より
可愛い感じだな」









尾関「Aさん、というのですか！いいなぁ。僕も一度お会いしてみたいです。おねがいします、今度 家に招待してください」









「うわっ、ぜってーお前にはあわせたくねえな」






　
　


尾関「なんでですか！」







　



「そんなことより、父さんの誕生日 何あげたらいいと思う？」









尾関「ゴルフのときなどにも着れるニットなんてどうでしょう。泰蔵さんなら 派手目のほうが似合うと思います。」







　


「ニットねぇ…」

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