【wrwrd!】脇役の少女 3 (ページ16)

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protect 22ーミスったなぁページ16

side・星羅

ダクトから出てくるなんて思ってないだろうから、かすり傷ぐらいはつけれる。

そう思っていたのに、そいつはスッと横に避けた。

…なんやねんこいつ…

ふつーに強いやつかもなぁ…

そんなことが頭によぎるのを無視して、先に周りの奴らを殺していく。

一人一人確実に、急所を狙っていく。

近距離戦は、力勝負になっては勝ち目は0に等しい。

取り敢えず足を止めてはいけない。

スピードで相手を翻弄しなければ。

そんなことを考えていたら、周りには後、5人ほどと、あのクソ野郎だけ。

多分精鋭された5人なのだろう。

5対1？

…流石に無理があるだろう。

まぁ、それでもやるんだけど

開き直ったとき、敵が全員私へ向かってきた。

しかも、後ろの私を攫った奴まで。

貴「…ッ？！それは卑怯やろ？！」

そんなことを言ったところで、敵がそれを止めるわけもなく

Ｅ「そんなことないですよ？

争いに卑怯も何もないでしょう？」

当たり前かのように言いながら、私に攻撃を仕掛けて来るこいつは、頭がおかしいのだろう。

そんなことを思っていると、一人のナイフがホオを掠る。

舌打ちしながら、バク転をして十分な距離をとる。

そして、頬を伝う血を拭ったそのとき

力が抜けてガクッと膝を折った。

あぁ、なんで忘れてたのだろうか。

最初にパーティーで会ったときもそうだったじゃないか。

ut［…？！星羅！］

インカムから鬱さんの声がする。

あぁ、インカムつけたままなんだった。

そんなことを呑気に思いながらも言うことを聞かない私の体は、床へと倒れる。

コツコツを響く足音がして、倒れ込んだ私の前には、ニヤニヤと笑う仮面の男。

Ｅ「だから言ったでしょう？

貴方はこの国から出ることは出来ないと」

クスクスと笑うそいつに腹立たしい以外感じることはない。

貴「ほぼ崩壊している戦線を立て直すことは不可能でしょう？

もう、諦めたら？」

そういうと、そいつは面白そうに笑って

Ｅ「それを立て直すための貴方の力でしょう？」

そう私に告げた。

あぁ、やだやだ。

こんな奴のためになんか絶対使ってやんない。

そんなことを思っても力が入らないのだ。

私は椅子に座らせられ拘束された。

そして、何か注射を打たれると意識が遠のいていく。

インカムから鬱さんが私の名前を呼ぶ声が聞こえる。

鬱さん…ごめんなさい。

その時、力の解放まで後5時間もなかった