【wrwrd!】脇役の少女 3 (ページ15)

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protect 21ーほんまにページ15

side・鬱

当たり前のようにいった星羅。

一体誰に似たんだろうなぁ…

あの、寂しがりな脅威か？

あの出来すぎる後輩か？

そんなものはどうだっていい。

ut［なぁ、星羅？

一つだけ約束な。

さっきも言ったけど、俺は星羅にも傷ついて欲しくないねん。

だから、何かあったら絶対真っ先に逃げることを優先しろ。

分かったな？］

そう言うと、星羅は少し考えたように間が空いたが
［はい］と返してきた。

その返事を聞いて俺は、城内の案内の用意をした。

ut［じゃあ、ダクト登って。

案内するわ。］

そう言うと星羅はダクトへ登る。

ゾム達のようにさっとは登れないっぽく、少し危なかったがなんとか登ったようだ。

危なっかしい…

でも、時間がかかるから、逃げるときには使えないのは確かだ。

そんなことも思いながらも、ナビゲーションをする。

すると、案外近かったようで、そこまで時間はかからなかった。

目的の場所につき、ダクトから下を覗くように言うと、星羅は息を潜めて、下を覗く。

すると、星羅をさらったやつはやっぱりいたようで、コンとインカムを叩く音がした。

敵はざっと30ほどだろうか？

やっぱり危ない気がして、つい本当にやるん？と聞いてしまう。

すると星羅は［やります］と言い切って、合図を俺に頼んできた。

ut［俺はちゃんと言ったからな。

ちゃんと逃げるんやで。］

貴［分かってます、大丈夫です］

そう言い切った星羅を止めるのはもう、不可能だ。

そう悟った俺は軽く、はぁ…とため息をつき、意識を集中させる。

ut［じゃあ、行くで。

10…］

side・星羅

カウントダウンが始まった。

バクバクと言っている心臓は、恐怖からかなのか興奮からなのか。

私には分からない。

ut［9…］

カウントダウンする鬱さんの声が聞こえる。

ut［8…］

行けるのか？

ut［7…］

いや、行くしかない。

ut［6…］

守られてばかりは嫌なんだろう？

ut［5…］

今まで、頼ってばかりだったんだ。

ut［4…］

今回は、私だって役に立ちたい。

ut「3…］

失敗だって死だって怖くない

ut［2…］

皆さんのためになってみせる。

ut［1…］

兄さんを攫ったこいつを。

皆さんを傷つけようとしたこいつを。

国に手を出そうとしたこいつを。

私は…

ut［0！］

貴［…絶対許さん…］

そう呟きながら、クソ野郎の元は飛び降りた。