頼むぜ！海のストライカー！！綱海の妹よ、波を越えろ！１ (ページ6)

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４話#　　いきなり同棲！？ページ6

#ヒロト宅#

～Aside～

その夜。

寝る時間ギリギリまで、あたしは塔子やリカのことをヒロトに愚痴っていた。

ヒロト「あははは、それは災難」

A「あのアイナメの焦げようと言ったらないぜ？」

ヒロト「塔子さん、頑張ってるんだね」

A「ったく。兄貴も面白がって全然料理教えてやってないからこういうことになるんだ」

ヒロト「でもサーフィンばかりしてるって、綱海くんらしいよね」

ジャスミンティーを口にしながら、あたしはしゃべり続ける。

A「まあ、無職でだらけているあたしに兄貴のこと言える資格なんてないんだけどな。

兄貴、あれでも一応サーフィンのコーチとライフセーバーを兼職してるし、それにサッカー資金援助にも手ぇ貸してるからさ」

ヒロト「Aだって、今まで不在だった分親孝行をするんだって、海の家で頑張ってるじゃないか」

A「でも収入が問題なんだよな...あたし東京に家建ててるじゃん？お金かかってんだよ」

ヒロト「...だったら、いっそここに住めば？」

A「えっ！？」

はい？

ヒロト「ここにすめば、あの家も売れるだろうし」

A「ここに！？ヒロトと！？」

同棲ってことか...

ベッドの上で枕を抱え座っていたあたしに、ヒロトが顔を近づけて笑う。

ヒロト「俺と、住みたくない？＾＾」

A「え、いや...そんなことはないけど」

フッと笑って、ヒロトはタオルケットを被った。

ヒロト「だったらそうしなよ。何事にも節約が大切だよ」

A「...まあ」

ヒロト「誰かがあの家を買えば、エコにもなるじゃん？無駄にならないし」

A「...確かに」

ヒロト「だったらそうしちゃいなよ。明日、どうせ暇なんでしょ？家に戻って片付けでもすれば？」

ヒロトの家は広くて立派な一軒屋だ。

あたしの家も負けていないんだけど、ヒロトの家には劣る。

何が劣るか？そんなの決まってる。

ヒロトの家にいると、とても安心感があるんだ。

自分の家ではいつも一人ってイメージなんだけど、ここにいればそれは感じない。

ヒロトの傍にいられる。

そんなことが当たり前で、ずっと遠距離だったあたしたちに夢を与えてくれる。

A「...ここに住もうかな」

タオルケットを整えながら、横たわってるヒロトの隣に並ぶ。

リモコンで電気を消し、あたしはそのまま眠りに着いた。

...本当に、ヒロトの隣にいられることほど幸せなことはない。