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消滅した特級呪霊の中から出てきた何かが、音を立てて地面に転がった。式神を戻し、ゆっくりとそれに歩み寄れば、あまりの凶悪な気配に一瞬たじろいでしまった。



「これは、両面宿儺の指…」


廃病院から発生した呪いが特級相当にまで肥大化した理由はこれだった。両面宿儺の指を取り込んだ呪霊が、特級相当の力を身につけていったと。20本ある指のうち、未だ見つかっていないものの多くは呪霊に取り込まれているか、はたまた限りなく呪力を抑えて息を潜めているかのどちらかだ。


今回は前者に当たっていたのだろう。




「…何はともあれ、呪霊の討伐は終わりましたね」



呪いが祓われ、どことなく清々しい空気になった病院を後にし、伊地知さんの元へと急いだ。






.






約束の時間まであと5分。始終不安げな表情を浮かべていた伊地知だったが、全て杞憂に終わった。


帳が上がり、廃病院の入り口からAが出てきたのを確認すると、伊地知は車内から飛び出した。




「禪院さん…!ご無事で何よりです!」


多少着物の裾が汚れてしまっているが、その程度で済んでいることが奇跡のようだった。帳の外からも感じられたあの気配は只者ではなかったのだから。




「伊地知さんがおっしゃっていたこと、当たっていました」


あの氷のような表情はやはり変わらないままであったが、Aは以前にも増して静かな声で言った。そして伊地知の前に握りしめた手を出し、ゆっくりと指を開いた。



「こっ、これは…!!」


「特級呪物、両面宿儺の指です。廃病院で発生した呪いがこれを取り込み、強大化していたようですね」



まさか、特級呪物が取り込まれていたなんて。



そのことにも驚いたが、伊地知が本当に驚いたのは、他でもないAに対してだった。



特級相手に、この程度の擦り傷で…!?




開いた口が塞がらないとは、まさにこのことだろう。さながら、最強と評されるあの人物を彷彿とさせる勢いだった。



「ひとまず、呪術高専までお願いします。いつまでも特級呪物(これ)を晒していたら、また呪霊が湧き出てきますから」


「も、勿論です…!急ぎましょう!」



Aが車に乗ったことを確認して、伊地知は急いで呪術高専まで車を走らせた。そして改めて、禪院Aの呪術師としての実力を感じるのであった。

最強の呪術師→←特級呪霊



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アキ(プロフ) - えもう最高すぎます……。続き楽しみにしてます😭💕💕 (2022年10月1日 10時) (レス) @page24 id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - 最高です❗️ こうゆうのを待ってました‼️ (2022年8月11日 12時) (レス) id: 6c9eae5177 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - うわああめっちゃすきですこれ!!!更新止まってるみたいなのでよければ再開してほしいです(T_T) (2022年7月23日 18時) (レス) @page24 id: 44246302dc (このIDを非表示/違反報告)
ベリーショート(プロフ) - ミリカんさん» ありがとうございます!ゆっくりですが頑張ります! (2022年4月23日 16時) (レス) id: 2d5afa7553 (このIDを非表示/違反報告)
ミリカん - 最高に面白いです!!更新楽しみにしてます!! (2022年3月22日 3時) (レス) id: 17b40665d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ベリーショート | 作成日時:2022年1月5日 23時

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