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9話 失踪 ページ10

凛音side

 翌日、私は新しく星川凛音としてのスマホを購入した。長月Aのスマホも一応持ってはおくが、基本的に使うことはないだろう。

 そのあと、私は周囲を見渡しながらこっそりと自分の家に入り、必要な荷物をすべて持って長月家を出た。

 一応周囲に警戒してはいるが、新一や蘭に会うことはないと確信している。新一は昨日、蘭と遊園地に行くと言っていた。…蘭を一番に思っている彼が、彼女との約束を破棄するわけがないのだ。

凛音「…ただいま帰りました…」

 快斗君の家に入って少し大きな声でそう言うと奥からひょっこりと快斗君が顔を出した。

快斗「お帰り凛音、そんなに荷物があるなら取りに行くの手伝うべきだったな…」

 快斗君が頭をかきながら「ごめんな」と告げるので、私は首を振って

凛音「快斗君がついてきてくれるって言ったのを断ったのは私でしょ、気にしないで」

快斗「そっか…それにしても、外もだいぶ暗くなってきたみたいだな…」

 確かに、私が家の前についたときにはだいぶ暗くなっていた。まあ、私の家に着いたのが夕方だったのでこれくらいの時間になるのは妥当だろう。

 私がそんなことを考えていると、隣の家から大きな声が聞こえてきた。…青子ちゃんだ。

快斗「よし…行こうぜ、凛音」

 快斗君はそういうと私の手を引いて青子ちゃんの家に向かった。…顔が熱いのは、気のせいだと思いたい…



 青子ちゃんの家でご飯を食べて、快斗君の家に帰ってきてしばらくたったころ、Aのスマホが震えているのに気が付いた。…蘭からの着信が来たようだ。

 もちろんその電話に出ることはなく切れるのを待つ。しぶとく鳴っていたが、ようやく諦めてくれたようだ。

 私が安堵の息をつくと今度はメールが来た。LINEと違ってメールには既読機能があるわけではないし…と思いながら蘭からのメールを開いて…私は思わず目を見張った。

 だってそのメールの内容は…少し簡潔にまとめるが、新一が失踪したという内容のメールだった。

「A、新一と一緒にトロピカルランドに行ったんだけど、その帰りに何処かへ行っちゃって帰ってきてないみたいなの。どこにいるか知ってたら教えて!
でも…それ以上に、Aが今どうしてるのか教えてほしい。Aも、新一も…どこにいるの?」

 そのメールを見て、私はただ一言「ごめんなさい」と呟くだけだった。

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フランドール(プロフ) - 返信は遅くなるかもですが、他にもなにか気になった点があったらジャンジャン書いてください!! (5月25日 20時) (レス) id: d5ba8a8e0b (このIDを非表示/違反報告)
フランドール(プロフ) - 結歌さん» ご指摘ありがとうございます!!5話については、完全に私のミスです!!ごめんなさい!!14話については睨めつけると書いてねめつけると読みます。私的には睨みつけるよりもこっちの言い回しのほうが好きなのでこうしていたんですが、分かりにくくてごめんなさい!! (5月25日 20時) (レス) id: d5ba8a8e0b (このIDを非表示/違反報告)
結歌 - また続けてのコメントですみませんm(._.)m これ正しくは白馬を睨みつけるように見てではないんでしょうか? (5月25日 17時) (レス) id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
結歌 - 続けてのコメントですみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 14話 嫉妬のここの部分  なぜがイライラしてきた俺は白馬を睨めつけるよう見してみて「そうかよ」と冷たく言い放った。するとなぜか白馬は声をあげて笑い出した。 (5月25日 17時) (レス) @page15 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
結歌 - はじめまして(*^^*) いきなりすみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 5話 後悔のここの部分 明日だって、私が都大会に優勝したからという建前 これ正しくは都大会で優勝したからではないんでしょうか? (5月25日 17時) (レス) @page6 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フランドール | 作成日時:2019年12月7日 20時

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