月夜に咲く花 FirstSeason

45話　計画 ページ46

凛音side

新庄「どうも皆さん、お待たせしました‼」

　階段を駆け上がる音が聞こえてきたと思ったら大きな声でそんなことを言われ、振り返ると新庄さんが立っていた。「体調が悪くてキャンセルしたんじゃないのか」と尋ねられた新庄さんは、

新庄「いやあ、それが体調も戻ったし一人でいても暇なんで、やっぱり参加することにしたんです。」

　サングラスを取った新庄さんは樹里さんに歩み寄って片膝をつき、

新庄「遅くなりました、ジョセフィーヌ様」

　と、樹里さんの右手を取ってキスをした。
すると樹里さんは新庄さんに顔を近づけて小さな声で何かを話し出した。…なんて言ってるのかはわからないけど…

　新庄さんは立ち上がると後方へ行きあいている席に座った。
私は蘭に新庄さんに挨拶をすると伝え、新庄さんの横で立ち止まった。新庄さんは手で自分の席の隣を指さしている。…座れ、ということだろう。

凛音「…はじめまして新庄さん、星川凛音と申します」

　私が白々しくそういうと、新庄さん…いや、快斗君はニヤリと笑って「気づいてんだろ？」といった。

凛音「まあ、さっきは樹里さんと何を話したたんですか？」

快斗「ああ…新庄さんが体調を崩したってのは嘘で、なんか計画してたみたいだぜ」

　なるほど…樹里さんが人一倍驚いているとおもたら…そういうことか…

凛音「それで、こちらの計画の方は…」

　と尋ねると、快斗君は私の頭にポン、と手を置いて、

快斗「変更はあるが大丈夫だ。…ちゃんと名探偵を見張っててくれよ？」

　私は席を立ちながら「御意」と呟いて元の席に戻ろうとした。

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