月夜に咲く花 FirstSeason

17話　無駄 ページ18

凛音side

　そして、園子ともまた友達になった…園子もめちゃくちゃ驚いてたけどね…
　少し怒った青子ちゃんのお父さんが鈴木相談役に詰め寄っていたのだが、私が視線に入ったのだろう、私がいることに驚いていた。
　今、私たちはワゴンの中でカメラの映像を見ている。…こんなことしたって無駄なのになぁ、と思っているとどうやら快斗君が来たらしい。

中森「おい、どれだ⁉この映像、どのヘリから撮ってんだ⁉」

　中森警部が男の人の襟首をつかんで詰め寄った。どうやら快斗君は博物館の裏手にいるらしい…うまくいっているようで安心する。

蘭「あ、コナン君⁉」

　中森警部を追って新一が出て行ってしまったらしい。蘭に「私が見張っておくわ」と告げてワゴンの中から出る。人ごみに紛れていたが、何とか見つけることができた。

凛音「コナン君…蘭ちゃんが心配してましたよ…」

　しゃがみこんで後ろから声をかけると、新一がバッと振り返って「凛音さん⁉」と声を上げた。

コナン「ごめんなさい…どうしてもキッドのことが気になって…」

　新一とは思えないようなかわいい声でそう言った。私はハァ、と大きくため息をついて

凛音「蘭ちゃんに見張っておくと約束してしまったので、私から離れないでくださいね…」

　私がそういって、新一が大きく頷いたその時、上空からポンッと音がした。

コナン「なに⁉」

　そこには、上空に立つ怪盗キッドがいた。

中森「そんな馬鹿な⁉」

　そう、生身の人間が重力に逆らって宙に受けるわけがない…あなたにこのトリックが解けるかしらね?…新一…

　飛行機がキッドの上空に動いて、ライトがキッドを照らすが何もない。…だってキッドの上空には何もないんだから…

中森「上じゃないってことは…」

　中森警部がそう呟いたとき、コナン君は走って右のビルに向かった。私はコナン君を追いかけて走る。…発作が起きないように祈りながら…

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