完全負けヒロインの私が幼馴染の御曹司を落とす話。【ブルーロック】【御影玲王】 (ページ1)

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昔から自分は完璧だと思っていた。

産まれて最初に聞いた言葉は大人達がうっとりするような声で言った【可愛い】だった。

幼稚園に上がる頃には自分が可愛いことを自覚したし、それを使うということも覚えた。
入園したての頃、すごく可愛い子が入ってきたと先生の中でも話題になったらしいし同じクラスの子にも男女問わず、私は可愛い可愛いと褒められていた。

5歳の頃だった。父親が元々上の立場に居たようで幼い私は親に連れられてパーティーに出向いた。
そこで色々な大人と挨拶を交わしているうちに私は運命の出会いを果たす。

「みかげれおです」

紫の艶のかかった男の子にしては少し長めの髪をしていて、整った顔をしている。そんな「みかげれお」と名乗った男の子に私の純粋な心は一気に彼に奪われた。

そんな衝撃な出会いを果たしたあと、神も私のことが大好きだったようで玲王の父親が私達に二人で遊んで来なさい、と声をかけた。

玲王はこくりと頷くと私の手を引いて人気の無い庭まで連れて行った。

幼い頃の玲王は今と違ってつまらなそうな機械的な生活を送っていたようで、話す内容には色がつかない単一色の世界が広がっているだけであった。

対して幼い頃の私の生活がどうだったかと言われると玲王とそう変わらない生活だったのだと思う。
父親も母親も共働きで家に帰ってくる頃には私は夢の中。
幼稚園の後はいつも退屈で、親に与えられた本と小学校のワークを解くだけ。そんな、幼稚園児とは言えないような生活。
そんなヘンテコな共通点を持っていた私達は同じ境遇だったからか初めて話すのにも関わらず話題が尽きなかった。

幼稚園の事や家の事、このパーティーについてとか最近のマイブームについて。

話に夢中になっているといつの間にか玲王と私の親が迎えに来て、その日はそこでお別れになった。
まだ話していたかったけれどもその考え方が迷惑になると悟った私達はその考えを口には出さなかった。

しかし、帰宅後直ぐに母親から玲王の家がすぐ近くであるということを告げられた。
また、玲王に会える。その嬉しさでその日は確か、なかなかに寝られなかった思い出がある。