褪せない今日より見えない明日で【高尾和成】2

Good Old Days 049 ページ15

　和成は、どちらかというと切れ長な方の部類に入る目をまん丸くさせた。


「は、え、マジ？ いつから？」


　和成はよっぽどびっくりしたのか、洗濯かごを落とした。……洗い直さなくちゃな。


　散らばったタオルをせっせと拾うと、しばらく呆然と突っ立っていた和成が申し訳なさそうに眉を下げた。


　そんな顔しないでほしいな、と思って、私はあえて和成を茶化した。


「ちょっと和成、『お前みたいなブスにストーカーなんかいるわけねーだろ自意識過剰』みたいな顔しないでよね」


「してねーよ！ いや、Aはわりと可愛い部類に入る方だし、ストーカーはいてもおかしくねえと思うぜ？」


「えーっ、キュン♡……って、なるかバカー！ “わりと”ってなんじゃいわりと、って」


　和成、自分の顔がいいからって私を馬鹿にしてるね。許さん極刑。でも顔がいいから許すよ。


「……なんかおかしいな、って思ったのは1ヶ月前くらいなんだけど。なんか後ろから人の気配感じるなー？ って程度」


「は？ そんな前からかよ、怖かっただろ」


　時々相槌を打つ和成。黄瀬君もそうだったけど、多分イケメンって相槌を打つタイミングが一般人に比べて洗練されてるんだと思う。知らんけど。


「この前、下駄箱の中に、私がディ〇ニー行ったときの写真が入れられてて……！


　友達が撮った写真かな？ とも思ったけど、よく考えたら私約束ブッチされて1人でデ〇ズニー行ったんだよね」


「ストーカーもめちゃめちゃ心配だけどAの交友関係が心配になる部分があった」


　

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