赤い糸の先には〜【黄瀬.東峰】黒バス × ハイキュー 完

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それから音駒高校との練習試合が行われる
ゴールデンウィークまで強化練習が始まった。



初めて旭さんに寮まで送ってもらった日から
旭さんは毎日、練習後に送ってくれる。


今まで涼太と過ごして来た時間が...
少しずつ...旭さんと過ごす時間になっていく。

涼太とは違って...旭さんはすごく優しい。
少し...見た目と違って頼りないところもあるけど
そこが旭さんらしい(笑)



涼太を恋しくなる気持ちと...
私の中で少しずつ...少しずつ...
大きくなっていく旭さんの存在。



私...涼太が好き...なんだよね？

うん...涼太が好き。


涼太以外の人と
こうやって過ごすのが初めてだから...
だからきっと変に意識しちゃってるだけ...。






旭さんと過ごす時間が増えて...
練習中も無意識に旭さんに目がいってしまう。



だからこそ...
旭さんのバレーで気になった事がある。


バスケ部のマネージャーをしていた頃は
マネージャーの立場でも...
思った事があれば...監督がいてもコーチがいても
気にせずはっきり自分の意見を言ってきた。


でも今はまだバレーのルールも覚えたばかりのど素人。
ましてや...
旭さんがどんなプレイを今までして来たのかは私は知らない。


だから...私が口を出す身分じゃないのは分かってる。

だけど...そろそろ限界。




貴「旭さん！」

東「え？な、何っ？！」



ゲーム式の練習中に私は大声で旭さんを呼び止めた。
だから旭さんはキョトンとした顔で私を見た。



貴「なんで...スパイク打ち切らないんですか？」

東「...えっ...」

貴「旭さん...無意識にブロッカーを避けて
ブロックされるのを防ぐようなスパイクを打ってますよね？
だから打ちきれずにアウトになりやすい...
なんで打ち切らないんですか？」


菅「ちょ...A？！それは...」


何となく...空気が変わったのは分かった。
触れちゃいけない事だったのかもしれない...



だけど...このままだと旭さんは
” エース ” とは呼べない。
何も知らない私だけど...そんな気がした。


西「鉄壁...
鉄壁ブロック...伊達工のあの試合...
旭さん引きずってるんすよね...？」

菅「西谷！！」

東「スガ...いいんだ。
西谷の言ってる事...当たってるから。
俺は高いブロック目の前にしてそれを打ち抜くイメージみたいのが全然見えなくなっちゃった。

必ずシャットアウトされるか...
それにビビッて自滅する自分がよぎってしまう。
打ち切ってこそエース...
なのにそれが怖くて出来ない」

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