初めまして 二十一項目 ページ26
「伽羅ちゃん!貞ちゃん!ちょ、これ見て!」
「どうしたんだ、みっちゃん?そんな慌てて」
「...なんだ?」
洗濯物を畳んでいた本丸のオカン...もとい燭台切光忠は、電子機器から発せられた便りの報せに広間を飛び出して行った。いつもは廊下を走るなと注意している彼だが、今はそれどころではない。一気に廊下を走り抜け、とある一室の前で急ブレーキを掛ける。
襖が外れる程の勢いで開けてみれば、室内には大倶利伽羅と太鼓鐘貞宗が寛いでいた。
「これ!加州君から!とにかく読んで!」
「分かった、分かったから落ち着け」
「吸って〜吐いて〜」
慌てた様子の燭台切をどうどうと宥める二振り。大倶利伽羅が随分と手慣れた様子で、机の上に置いてあった急須からお茶を注いでいた。太鼓鐘は燭台切の背中を擦っている。
「ありがとう...って、そうじゃない!早くこれ読んで!」
自身を気遣ってくれた二振りに礼を言う礼儀正しい燭台切だったが、なんでやねんとオーバーリアクションを取りそうな勢いで大倶利伽羅に電子機器を手渡した。手渡された彼は、太鼓鐘にも見えるように電子機器を膝元まで下げる。
「...なぁ、みっちゃん。ゲートって霊力で動いてたのか?」
「加州君によればね。大方、僕らの中の霊力を使って直すんだろうけど...」
「...足りるのか?」
太鼓鐘の問い掛けに答える燭台切の尻萎みになっていく言葉に、大倶利伽羅が眉を潜めた。
本丸の門前に設置されているゲートは、かなりの大きさを誇っていた。その大きさ故に、刀装の発動時に使うものとは比べ物にならないほど膨大な霊力が必要になるだろう...と大倶利伽羅は考えている。
「あ!俺の所にも来た!」
「乱君からだね」
「内容は...同じか」
「おう!」
甲高い音色と共に送られてきた便りに、太鼓鐘が素早く反応する。軽く目を通してから、彼はお礼の言葉を送り返していた。
「...で、二人はどうするの?」
何かを期待するかのような燭台切の眼差しに、太鼓鐘は大きく頷いて胸を叩いた。
「俺は行くぜ!リスクも承知の上だ!」
「さっすが、さだちゃん!」
嬉しそうにハイタッチをする二振りに、大倶利伽羅はやれやれといったようにため息を吐く。
「...これで行かないと、国永たちは助けられないんだろう?」
「伽羅ちゃん!」
「やっぱ、伊達男はこうじゃねぇとな!」
___
To,格好よく決めたいよね!
長谷部君ならもう知ってるかな?
《転送:どーも。加州清光です。》
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ファーストMe - めちゃくちゃ面白いです(о´∀`о)更新頑張ってください! (2017年2月25日 15時) (レス) id: 4d48430878 (このIDを非表示/違反報告)
神歩(プロフ) - 杏仁豆腐さん» うぁぁ(自慢)だなんて!嬉しい限りです!もちろん、乗せて頂くのはOKです☆ありがとうございます(o^^o) (2016年12月30日 23時) (レス) id: 64d455b767 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐 - 神歩さん» いえいえ!描いて頂き、本当にありがとうございました!確認次第、小説の方に載せさせて(自慢)頂きたいのですが...よろしいでしょうか? (2016年12月30日 20時) (レス) id: c00500378b (このIDを非表示/違反報告)
神歩(プロフ) - 杏仁豆腐さん» あ、はい!そうです。杏仁豆腐さんのボードにURL貼らせて頂きました。説明不十分ですみません汗 (2016年12月30日 20時) (レス) id: 64d455b767 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐 - 神歩さん» ありがとうございます!えーっと...ボードの方でよろしいのでしょうか? (2016年12月30日 19時) (レス) id: c00500378b (このIDを非表示/違反報告)
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