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24話 条件 ページ26

『と、言うわけで。

あんた達の身柄は私達が引き取ることになったから...あ、刀解されたい奴は言えよ』



先ほど決まったことを、手当ての終わった刀剣達に伝える。

まぁ、当然のように反論された。



「俺たちに...またお前ら人間の所有物になれと言うのか?」



此方を睨み付けてきながら、憎しみの籠った声で獅子王がそう言った。

その瞳には光など写っておらず、激しい怒りが滲んでいる。


周りの刀剣のそんな彼に同調して冷たい視線を浴びせてきた。



『そんなバカな。

うちのママンの過保護力を舐めちゃいかんよ』



私はそんな視線を完全に無視して、ニヤリと笑い掛けた。


短刀の子達が若干悲鳴を上げたことにはかなり傷ついたぜ。



「...あい分かった。そなたらの命令を聞こう」


「じっちゃん!?」



がくりと肩を落とす私に、三日月が小さく頷いた。

獅子王が驚いたようにそちらを見ている。



「ここで逆らっても、我等が負けるのは見えている...これ以上傷付くことは無い」


「...わかったよ」


『お、話はまとまった?』



三日月の正論に、獅子王が渋々と言ったように頷いた。

私は太鼓鐘と蛍丸に慰めて貰って完全復活した頭を上げて、その様子を見る。



「うむ...だが、一つ条件がある」


『条件?』



スッと美しい瞳で此方を見据えてくる三日月に、私は背筋を伸ばした。

流石は天下五剣の中で最も美しいとされる刀である...チラッと腕を見ると少し鳥肌が立っていた。



「お主、確か竜堂と言ったな?」


『おう』


「お主も共に来てくれ」


『はいはい...え』



あまりにも自然に言うものだから。

コクコクと頷きいて了承していた思考を一時的に停止させ、ぽかんと口を開く。



「わかりました、彼女にも同行させます」


『おい』


「その折れた右足と一緒に、貴女の男勝りな性格も治して貰ってきなさい」


「眼鏡さん、それは無理です。

いくらママンさんの手入れ技術が凄いと言っても、主様の性格は治せません」


『喧嘩なら買うぞオラ』



私に選択権は無かったようで。

ここぞとばかりにバカにしてくる営業スマイルは本当に憎たらしいと思いました。



「そう言えば、最近ママンの所行ってなかったな...」


『天使まで私を裏切ると申すのか...!?』


「僕も同行するのに賛成です。

ご主人様の今のお姿...見ていられません」



頼みの綱であった亀甲までもが賛成してきた。

こうなった部下達は、何を言っても聞かないのである。

25話 最恐の軟弱者→←23話 保護



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ハルヒ(プロフ) - 臨兵闘者皆陣烈在前…アカン妖界ナビ・ルナしか浮かばんかった…そしてこの小説がとても好きです…ゆっくりでいいので更新待ってます…杏仁豆腐さん大好きです…(* ̄ii ̄)ハナジブォォォ← (2017年11月28日 14時) (レス) id: 852ed5590a (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐(携帯)(プロフ) - アッシュさん» その点に関しては申し訳ありませんでした。只今設定の方を載せましたので、何か不便な点がございましたら言ってください。 (2017年11月6日 22時) (レス) id: c00500378b (このIDを非表示/違反報告)
アッシュ(プロフ) - 設定無いのですか?初っ端から話が始まって何が何だか分からないです… (2017年11月6日 21時) (レス) id: 780afa92f9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杏仁豆腐 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年11月5日 11時

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