17話 希望の光 ページ19
ツッコミ疲れにより、肩で息をするAに鶯丸が茶を差し出した頃。
あまりにも騒がしい彼らの様子に、半歩身を引いていた秋田は自身に向けられる視線に気が付いた。
誰でもない、Aである。
秋田は自身を捉える青緑の瞳に背筋を伸ばし、それを真っ直ぐに見詰め返した。
『逸りに逸れまくった話を戻すッスけど...俺らの仕事は、君たち分霊を本霊に送り返すこと。
だから、その...』
「皆まで言わなくても、大丈夫ですよ？
...心残りはないです」
だんだん尻すぼみになっていくAの言葉に、秋田はにこりと笑って返した。
その笑みには、初め此処に来た時に見せた悲しみの色は存在しない。
何処までも晴れやかで、澄んでいる瞳がAのことを居抜いていた。
『...そうッスか。
なら、準備をして来るから待ってて欲しいッス！』
「はい！」
腰を上げるAに、元気よく頷き返す秋田。
その元気な返事に、Aも頷いて足早に部屋を出ていった。
そんな中、静かな足取りで秋田に近寄る男が一振り...白い内番服をたくしあげて耳打ちをするのは鶴丸である。
「...君は、人間を怨んでいないのか？」
薬研や鶯丸に聞こえないような音量での問い掛けに、秋田は一度目を丸くする。
ブラック産である鶴丸にとって、“主との約束”はそこまでして守るべきものなのか...本当に、涙を流すほどのものなのか...理解、出来なかったのだ。
フッと影を落とす鶴丸に、秋田は...
「...怨んで、いません。
僕にとって主君は、かけがえのない大切なお方ですから」
「...っ！」
怨んでいない...鶴丸の金に輝く瞳を見て、確かにそう言った。
彼の眩し過ぎる笑顔を、鶴丸は直視することが出来なかった。
＿＿＿俺も、何時かは...
心の何処かで、そんな希望めいた思いが生まれていたことに、鶴丸は気付いていない。
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あ - 更新待ってます (2017年11月29日 1時) (
レス) id: e1ae95dbc2 (このIDを非表示/違反報告)
柚希 - 面白いです！続きが気になります。更新楽しみに待ってます(゜∇^d)!!(゜∇^d)!! (2017年4月30日 10時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこりアロエ - 1でｯ!!!!! (2017年3月21日 20時) (レス) id: 0d3966aac5 (このIDを非表示/違反報告)
トゥクルカ(プロフ) - 1でお願いします！続き楽しみにしてます！ (2017年3月20日 11時) (レス) id: 77391b8609 (このIDを非表示/違反報告)
ヴェルさん(プロフ) - 2が良いです。鶴丸にはホワイト本丸の味を知ってほしいです…ブラックな家族が顕現したら耐えられないとも思いますし... (2017年3月20日 11時) (レス) id: 8a36f75a5a (このIDを非表示/違反報告)
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