1話 本霊還し ページ3
開け放たれた障子から、心地よい風が広間の中へと吹き込んでくる...しかし。
そんな清々しい情景を他所に、部屋の中央で仁王立ちをしている少年が一人。
彼は自身の背後に何やら黒いオーラを漂わせ、頬を引き釣らせながら目の前で土下座している一人と一振りを見下ろしていた。
「あんたらは馬鹿か！？馬鹿なのか！！？
無抵抗の奴に斬り掛かるなって、俺っち確か前に言ったよな！！？」
『はい、そう仰りました』
「滅相もない」
「いい返事だな、オイコラ」
怒鳴り散らしている少年...この本丸の初鍛刀である薬研藤四郎は、更に自身の眉間へと皺を刻み込ませる。
彼の心情など露知らず、土下座している一人と一振りは反省していないかのように視線を反らしていた。
そんな彼らのことを、何も言わずにただただ傍観している男が一振り。
茶を啜り、面白そうに肩を揺らしていた。
「俺っちが通り掛かったから事なきを得たものを...折角鍛刀した奴が、部屋に閉じ籠っちまったじゃねぇか！」
「Aのせいだな」
『まんばたんのせいッスね』
「夕飯抜きにするぞ」
頭を抱える薬研に、一人...この本丸の主であるAと一振り...その初期刀である山姥切は、同時に互いを指差して責任を押し付け合う。
掴み合いに発展しそうになる彼らに、薬研の冷淡な言葉が振り掛かった。
『悪かったッス、まんばたん』
「こちらこそ」
夕飯抜きという言葉に、彼らはいち早く行動を起こして握手を交わす。
傍観していた男...鶯丸は笑いを堪えきれないというように、腹を抱えて畳に突っ伏していた。
彼らは本霊還し...分霊としてこの世に送り出された神々を、送り返すことを生業としているのである＿＿＿
「反省したなら、とっとと閉じ籠った奴を引っ張り出して来い！
見事にブラック産だからな...腹括れよ！！」
「出会い頭に殺気飛ばして来たからな」
『あれはヤバいッスわ〜』
「俺も行こうか？」
『うぐたんは最後の手段ッスからね...どうしようも無いときは頼むッスよ』
「拝命した」
「いや、あんたは早く本霊に還ってくれ...」
＿＿＿人間に対する、怨みを祓って
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あ - 更新待ってます (2017年11月29日 1時) (
レス) id: e1ae95dbc2 (このIDを非表示/違反報告)
柚希 - 面白いです！続きが気になります。更新楽しみに待ってます(゜∇^d)!!(゜∇^d)!! (2017年4月30日 10時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこりアロエ - 1でｯ!!!!! (2017年3月21日 20時) (レス) id: 0d3966aac5 (このIDを非表示/違反報告)
トゥクルカ(プロフ) - 1でお願いします！続き楽しみにしてます！ (2017年3月20日 11時) (レス) id: 77391b8609 (このIDを非表示/違反報告)
ヴェルさん(プロフ) - 2が良いです。鶴丸にはホワイト本丸の味を知ってほしいです…ブラックな家族が顕現したら耐えられないとも思いますし... (2017年3月20日 11時) (レス) id: 8a36f75a5a (このIDを非表示/違反報告)
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