竹取物語 ページ12
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五人の求婚をかわした末者は
月を見て、物思いにふけるようになった
兄「どうしたそんな顔して…何かあるのか？」
『……実は…』
理由を尋ねてきた彼らに告白する
自分は月の人であり、八月十五日には
月に帰らなければならないと
兄「…俺はお前のことを娘だと思ってる
竹の中から見つけた時、お前は菜種ほどの大きさだったが
今じゃ弟者に近いくらい、大きく、立派に育てた我が子だ
顔も知らねぇような奴に、お前をくれてやることなんて許さねぇよ」
優しく、本当の親のように
愛しい我が子の頭を撫でた
『月の人として、父母がいます…少しの間といっても、とても楽しかった
あの国の父母も覚えていません、月に帰ったら嬉しい気持ちもしません…ただ、悲しいだけです…
けれど、自分の思い通りにならず、お別れすることになるでしょう』
ほろほろと美しく泣く、末者の目尻を拭う
悲しい気持ちはまったく一緒だが
嘆いている暇はない
兄「そうと決まれば、守りを固めないとな？弟者ッ！！」
弟「聞いてたよ、俺たちの大切な人をそう簡単に渡すわけない、だから泣かないで？」
『……ありがとう』
それでも、運命とは無慈悲だ
夜中の十二時頃に、家のあたりが、昼の明るさ以上になった
満月の明るさを十倍したぐらいで
弟「うおっ！まぶしッ！！」
兄「末者ッ！！」
人の心は、魔物に取り憑かれたようで、戦おうとする気持ちになれなかった
気丈な二人が、矢を射ようとするけれども
他の方へいってしまうので、激しく戦わないで
気持ちがただぼんやりするばかりで、見つめ合っている
『やはり、敵いませんね…無茶をなさらないでくださいな
私も、心ならずもこうしてお暇するのですから、せめて天に昇るところだけでも
見送ってください』
兄「…どうして、悲しいのに見送らなきゃならねぇんだ」
弟「そうだよ、どうせなら一緒に連れて行ってよ」
見たこともない、酷い泣きっ面で
手を伸ばしてくる
『…手紙を書き置いてお暇しましょう。恋しく思われる時々に、取り出して御覧ください』
着物と不死の薬を
今までで一番の
美しく優しい笑みを添えて残した
ついに末者は、着れば思い悩むことがなくなるという天の羽衣を着てしまった
最早、二人の兄弟への思いすらない
かぐや姫は、飛ぶ車に乗る
そして、百人ほどの天人を連れ
月に、天に昇ってしまった
あぁ
哀しくも愛しい
美しき物語
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小心者(プロフ) - 出雲さん» そう言ってもらえると嬉しいね！リクエストThank you！ (2019年5月22日 0時) (
レス) id: c2af5663dd (このIDを非表示/違反報告)
出雲(プロフ) - もう大好きすぎて一気に読んじゃいました！！凄い良かったです！！これからも頑張ってください(*´∀｀*)尸" リクエス なのですが末者さんにおついちさんがお願いして弄ってもらうみたいなのお願いしますm(*_ _)m (2019年5月21日 17時) (レス) id: 3d50340c63 (このIDを非表示/違反報告)
まるごと林檎。 - 小心者さん» ふああ…よかったあ……めっちゃ心配しとったわぁ……よかったよお''お''お''お''お''お''！！ (2019年3月10日 18時) (レス) id: 774209a9b8 (このIDを非表示/違反報告)
小心者(プロフ) - まるごと林檎。さん» 生存中でございます。もうちょっと！ (2019年3月6日 23時) (レス) id: 5a995e257c (このIDを非表示/違反報告)
まるごと林檎。 - 生存確認！！だいじょーぶかい？！生きとる？？！！ (2019年3月3日 15時) (レス) id: db6026fd8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小心者 | 作成日時：2018年10月26日 21時
