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夜中、喉が渇いて起きる。
確か下の冷蔵庫の中に緑茶があった気が…無ければ、水でいいや。
部屋を出て、真っ暗な階段を降りていたら、
ガタンて物音。カウンターの方から。
ちらって見たけど、明かりはついてなくて。
この歳になって、幽霊なんて信じないけど。
………けど、ちょっと…怖かったりなんかして。
立ち竦んだとき、ガシャーンって大きな音が。
「きゃーっ！」
しゃがみこんで、耳を塞ぐ。
歯がガチガチ鳴る。
こわいよー！強がったりしてごめんなさい！怖いです！！！
震えてたら、はあ〜って溜息聞こえて、
あれ…人が、いる？
「なにやってるの」
暗闇の中、よくよく見てみたら
呆れ顔のオーナーさんが目の前に立ってた。
「なんだ…オーナーさんか……」
「大きな声出さないでね、他の人起こしちゃうから」
「あっ。ごめんなさい。……飲み物、とかあります？」
「お茶でいい？」
コップに注いでもらう。
生き返る。
ふーと、ひと息ついたところで、疑問が。
「オーナーさんは、なにやってるの？」
「……えっと、」
「ん？お米？ボウル？あ、さっきの物音はこれ？」
「……まあね」
「お腹空いたの？神宮寺ちゃんは？」
「風邪！……神宮寺、風邪引いちゃったの、…熱あって、それで…」
「…………もしかして、お粥作ろうとしてた？とか？」
「…うん。…でも俺わかんなくて」
「………お手伝い、しましょうか？」
こくん、て頷くオーナーさん。
よーし、こうなったら！
一緒にお粥を作る。
誰かを起こさないように、ひっそりと。
数分お米を水につけて。
そのあと鍋に移して、分量の水を入れて炊く。
かき混ぜすぎないことが大事。
炊いてる間に神宮寺ちゃんのお部屋にお邪魔する。
冷えピタとかないから、タオルを冷水につけて、絞っておでこに乗せる。
うう…とか呻いてて、
ちょっと指先に擦れたおでこが熱い。
ほんとに、辛そう。
オーナーさんが、不安そうに瞳を揺らして、私を見る。
「………神宮寺、どうかな…」
「沢山汗かいて、水分とって、ぐっすり寝れば大丈夫だよ」
「そうなの？」
「後は神宮寺ちゃん起きて、ご飯食べれるようなら食べて貰って」
「……俺、そろそろ本島に帰るの」
「え？もう？」
「ん。仕事で。けど、そんなときに神宮寺が風邪引くから、どうしよって思って」
「そっか。それじゃ商売にならないもんね」
「だから、助かった……ありがと」
オーナーさんとの距離が縮まった気がして、
嬉しい。
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かめ - めっちや、よかったです！この、作品好き (2017年7月7日 18時) (
レス) id: 185613c9fe (このIDを非表示/違反報告)
龍風(プロフ) - この作品の言葉のチョイスや物語の雰囲気が大好きです！とっても素敵なお話でした！！ (2015年8月30日 21時) (レス) id: 1b72ee1613 (このIDを非表示/違反報告)
じぐさ - 今まで読んだ中で１番位に良かったです！感動というか、楽しかったというか、言葉に表せないのですが素晴らしい作品でした！どちらの作者さんもこれからも頑張ってください！ (2015年8月26日 21時) (レス) id: b75a77f642 (このIDを非表示/違反報告)
星葉(プロフ) - すごく良かったです！文がきれいで読みやすかったです。これを映像化してほしいぐらい私この作品好きです！ (2015年8月16日 18時) (レス) id: ed2de52e9c (このIDを非表示/違反報告)
Natsumi .(プロフ) - ゆいさん、なつです！元平野なつです！お久しぶりです！！ りんりなさんとゆいさんのコラボ…全然知らなくて今更いっき見← 素敵な作品でした、また、書いてくださいおふたりで！！待ってます！！ (2015年8月16日 11時) (レス) id: 844a66fde4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆい☆＆リンリナ
x他1人 | 作成日時：2015年8月2日 17時
