14 ページ14
ケータイのアラームを、使わない朝。
即ち、
時間を気にせず起きれる朝。
……そんなの、大学生ぶりか。
いや、あの頃はあの頃で、友達と遊んだりなんだりで忙しかったから。
いつぶり?
わかんないけど、時計見たら12時過ぎだった。
すごい。こんなに寝れるんだ。
まあ、昨日も遅かったしなあ。
少しベットの上でゆっくりしてから、
部屋を出る。
共用のお風呂。
使用中って札掛けて、中からも鍵しめて。
ちゃんと綺麗に掃除してあって、ジャンプーとかリンスもいい匂いのやつ。
朝風でさっぱり。
お腹すいて、1階に向かう。
「おはようございます」
「おはよ!あ〜…昨日、さ、寝ちゃってごめんね」
「いいよお、全然。それにしても神宮寺ちゃんお酒弱いね」
「そーなんだよ…ほんとどうにかならねえかなって。なんか食べる?」
「食べる食べる!」
りょーかい、って神宮寺ちゃんが冷蔵庫開けてる。
その間どうしよっかなあって思ってたら、
ガラッて入り口のドアが開く音。
「お腹すいたー!神宮寺ごはんー!」
「はいはい今作ってっから」
「はやくねー………あっ…」
入ってきたのは、…女の人?
いや、違う。男の人。
可愛い顔してる。
色白で、ちっちゃくて、声が細くて、
私を見るなり、怪訝な表情して警戒心丸出しにしてる。
それを、神宮寺ちゃんが気づいた。
「ああこの人昨日来たお客さん」
「………ああ…神宮寺酔い潰したっていう…」
「………」
「岩橋人見知りだからいつもこんなんなの。A気にしなくていーよ」
「はあなる程。よろしくお願いします」
「…うん」
「その返事おかしくね?」
「神宮寺ごはんまだ!!!?」
「あーまだまだ、ちょっと待ってろって」
「……部屋戻ってる。出来たら言いに来て」
「オッケー」
怪訝な顔したまま、階段上ってく。
…それでも、可愛い顔してたなあ。
「今のこの店のオーナーなんだよね」
「えっ?!オーナー!!?」
「まあ仕事の関係で、この島と東京行ったり来たりしてんだけど。」
「かわいいオーナーさんだね…」
「ただほんっと人見知りで。多分ね、俺がいないと生きてけないよアイツ」
すっごい良い笑顔で、神宮寺ちゃんが言う。
2013人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かめ - めっちや、よかったです!この、作品好き (2017年7月7日 18時) (レス) id: 185613c9fe (このIDを非表示/違反報告)
龍風(プロフ) - この作品の言葉のチョイスや物語の雰囲気が大好きです!とっても素敵なお話でした!! (2015年8月30日 21時) (レス) id: 1b72ee1613 (このIDを非表示/違反報告)
じぐさ - 今まで読んだ中で1番位に良かったです!感動というか、楽しかったというか、言葉に表せないのですが素晴らしい作品でした!どちらの作者さんもこれからも頑張ってください! (2015年8月26日 21時) (レス) id: b75a77f642 (このIDを非表示/違反報告)
星葉(プロフ) - すごく良かったです!文がきれいで読みやすかったです。これを映像化してほしいぐらい私この作品好きです! (2015年8月16日 18時) (レス) id: ed2de52e9c (このIDを非表示/違反報告)
Natsumi .(プロフ) - ゆいさん、なつです!元平野なつです!お久しぶりです!! りんりなさんとゆいさんのコラボ…全然知らなくて今更いっき見← 素敵な作品でした、また、書いてくださいおふたりで!!待ってます!! (2015年8月16日 11時) (レス) id: 844a66fde4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆい☆&リンリナ x他1人 | 作成日時:2015年8月2日 17時