第2話 ページ3
冨「A、帰らないのか?」
玄関に立ち尽くして数分もたたず。
ぼんやりとしていると冨岡先生が声をかける。
彼の手には使い込まれた麻布のカバンがあった。
仕事も終わって帰るところなのだろう。
「帰りたいのは山々ですが……傘を忘れました」
傘を忘れたという事実が少し恥ずかしくて苦笑いをしてしまう。
冨岡先生はその様子を特になんのリアクションも起こさず見つめていた。
冨「そうか」
「はい……」
富「…………」
「……………………」
沈黙がつづく。
気まずい。
「あのっ!!」
冨「……」
「帰らないんですか?」
彼のカバンを持つ手と反対の手には紺色の傘があった。
冨「入らないのか?」
「え?」
何を言っているのかよく分からなくてちょっと硬直。
「傘、入れてもらえるんですか?」
「あぁ」
Aに風邪をひいてもらいたくは無い。
そう呟く声は雨にかき消され耳までは届かなかった。
46人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
架也(プロフ) - こむぎさん» さっきからきゅんきゅんしっぱなしです…新作楽しみにしてます!私も更新頑張ります! (2019年9月11日 21時) (レス) id: 56ac683fc9 (このIDを非表示/違反報告)
すもも(プロフ) - こむぎさん» あああああああ返信ありがとうございます!冨岡先生が尊くって机に頭打ち付ける日々です!! (2019年9月6日 23時) (レス) id: 05874a5a86 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ(プロフ) - すももさん» コメントありがとうございます!!!もっとキュンキュンしてもらえるよう頑張ります!めちゃくちゃ嬉しいです!!! (2019年9月5日 11時) (レス) id: 2f3651b549 (このIDを非表示/違反報告)
すもも(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンします…すごく楽しく酔わせていただいています!これからも更新楽しみにしています! (2019年9月4日 23時) (レス) id: 05874a5a86 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こむぎ | 作成日時:2019年9月1日 23時