我が身にたどる女王【ツイステ】 (ページ20)

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episode-18 ページ20

「聞きたいこと……？」

男___ルークと名乗っていたか____はごそごそと制服の懐を漁り、一枚の写真を取り出して、私に見せた。

「これ……」

「この写真に写っている女性、貴女で間違いないかい？」

写真を見た瞬間、電流が走ったかのように色々な事実が脳内で繋がった。……この男の正体も、見当がついた。

「……知らないわ。確かにこの人は私にそっくりだけれど、こんな場所で写真なんて撮った覚えはないもの」

今はそうやって誤魔化すしか無い。写真の中で笑っている私の後ろに写っている景色は、"あの人"のお屋敷の庭だ。私が封印される前に、"あの人"のお屋敷に身を置かせて貰っていた時のものに違いない。

そしてルーク・ハントと、"あの人"の姓は同じ。これが意味する事実は明白だ。ルークは"あの人"の息子だと考えるのが妥当だろう。そうでなければ、この写真にありつける所以が無い。

「それは困ったね。もしやここで探していた人と出会えるかもしれないと、期待に胸を躍らせていたのに」

「あら、それは申し訳ないことをしたわね。……けれど探してるって言ったって、その人、どなたなの？どうして探しているの？」

「私の大切な人の、大切な人かもしれないんだ。それを確かめる為にも彼女を探している」

「そう、君には大切に想う人が居るのね」

それって貴方のお父様……？と口走りそうになったのをぐっと堪える。さっき誤魔化した意味が無くなってしまう。とはいえ父親に指示されるままに私を探しているのだろうか、という疑問が脳裏に浮かんだ時、ふと彼の制服の腕章が目に入った。

「……君はポムフィオーレ寮の生徒さん？」

「ああ、よく知っているね。美しき女王の奮励の精神に元ずく寮さ。私はそこの副寮長を任されているんだ……といってもそれらしい仕事はほとんどしていないんだけどね」

……副寮長、ともなればあの子と相当近しいところにいるはずだ。あの子はポムフィオーレの寮長なのだから。

「凄いわね。副寮長なんて。ああそういえば、ポムフィオーレ寮って確か、寮長が有名な方なんでしょう？」

ルークの瞳が一瞬だけ揺らいだ。動揺したという証拠だが、彼の顔を注視していなければ見逃していただろう。本当にそれぐらいしか反応を示さないのだから怖かった。
さっき彼が言った『大切な人』が単に『友人』という意味なら……ルークはもしかしたらあの子の母親を探しているのかもしれない。