恋は祓うな。

其のニ十 ページ23

あ「ってさ、」


部活終わり、歩きながら今日の報告。



奈「王子様も遊んでるわな、巫山戯んなよあいつ」


輝「ん、なんかあった？」


あ/奈「」
＿＿＿

ダッシュで輝から逃げ、その勢いで奈那とも別れ、一人で帰路につく。


遊んでる、かぁ。やっぱそうだよね、遊ばれてるのか。


一人でぐるぐる悩んで唸り声を上げながら歩いていたから、暗いから余計に周りなんて見えてなくて、



あ「ぬわっ！？」



誰かの手が私の肩に乗る。そんでもってぐいっと引かれる。
え、怪異？



あ「輝ーっ！！」


「もー、やっと一緒に帰れた」


あ「へ、、、、あれ、同じ学校、、、？」



予め振り向く際に輝に助けを求めておいたけど、丁度当たった外灯で見えた制服は、まさか同じ学校の男子生徒だった。


いや、よく考えれば、怪異は私に触れられないじゃないか。


、、、あれ、誰。



あ「えと、どちら様？」


怪異じゃないことに安心して前を向くと、見知らぬ人がいた。びっくり仰天。それどころじゃないんだわ。


「酷いなぁ、俺だよ！ほら、俺と目があったときに俺だけに笑ってくれたじゃん。源輝が隣りにいたのにさ〜」


あ「？？輝とはいつも一緒にいるので覚えてないですね、すみません」



その子はヘラヘラと笑ってそういった。



ていうか、目があって笑った、なんてよくあることじゃないか？？輝が皆にそうしてるから、私も似ただけであって。


何か妙な感じがしたので、その場を去ろうとしたが、今度は腕を引かれ、そのまま後ろから抱きしめられる。
まって、？誰に抱きしめられてる？



「俺、ずーっとAと帰ろうとしたりしてたのに。なんで俺のことおいてくの？」



一瞬で全身に鳥肌が立った。
嫌だ、嫌だっ！！気持ち悪い、嫌だ、、、っ


そう思っても足が動かない。



あ「っ、、、」


「俺のこと好きなんだろ？俺もAのこと好きだよ」



誰があんたのこと好きって言ったよ！！ていうか、こんな口説き誰が乗るか！！



心のなかではそう言い返してるのに、口にできない。怖い、気持ち悪い。
顎をつうっと撫でられ目から涙が零れそうになる。だめ、泣いちゃダメ！！



あ「いや、っ」



輝、、、たすけて、っ

其のニ十一→←其の十九

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す