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扉の締まる音が聞こえて
次に鍵が締められる音が聞こえる
薄暗い、狭い部屋
あの時がフラッシュバックする
近くで手を握る彼にバレないように
ゆっくりと左手で自分の顔を覆う
息が詰まってしまうから
明星「…A?どした…震えてる…っ!?」
隠したはずの震えも言う事を聞かず
あろうことか
貴方「何でも…ないっ、から…」
目から液体が流れて来る
望んでない涙、要らない涙、彼に
あんな顔をさせてしまう涙
困り顔の彼も、理由に気が付いたのか
座って?、と体育で使うマットの上に俺を誘導する
震える足を動かして倒れ込む様にマットへ座る
貴方「っ……ス、スバル…?」
明星「ごめん、こんな所にA入れちゃって、俺もこんな所嫌いなのに…」
座る俺に合わせて膝立ちをして
細く、骨張った手と筋肉質な腕が優しく俺の身体を包む
肩におでこをくっ付けて話す彼のいい香りのする髪が頬に当たって、少しくすぐったい
いつもより倍早い自分の鼓動
それに気が付いたのか、ゆっくりと顔をあげたスバルは
明星「震え、止まったね…良かったぁ」
貴方「へ…?あ、本当だ…」
言葉は優しくてもその表情はまるで悪戯っ子
そんな彼の顔を見て拗ねたように少し顔をしかめる
ふふっ、と可愛く笑ったスバル
彼は抱き締める手を解くと細い指で俺の頬を両手で包み
おでことおでこをこつんとぶつけると
明星「Aのこと…足りなかった」
貴方「えっ…?」
彼が喋る度にぶつかりそうになる唇と唇
目の前にある綺麗な顔
すると近付いて来る彼の唇
口付けが落ちて来たのは唇ではなく、耳
いつものように笑った彼は
いつもより低い声で
明星「今はこのくらいで我慢してあげる」
耳元で囁く
まるで俺が罠にかかると見切った様に
喋ろうとする俺の言葉に被さる様に扉が開き
驚いた表情の千秋先輩と目が合う
スバルは急いで俺をおんぶすると
明星「Aは俺のなんで先輩になんかは渡しませんから」
そう吐き捨てるように一言を残す
落ちる落ちる、そう言いながらスバルの首にしがみつく
同時に埋めた顔は
貴方「…っ…ズルくない…?」
恥ずかしさから…?
それとも
嬉しいから…?
.
明星スバル✕体育倉庫=独占の表れ
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夢見がちP(プロフ) - うおおおおおお!更新きたああああああ!! (2017年8月28日 9時) (レス) id: 4296378f20 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - モノクロキャットさん» コメントありがとうございます! 涙だなんて…嬉しいです。゚(゚´Д`゚)゚。 応援ありがとうございます(*^^*) 是非!よろしくお願いします~笑 (2017年1月1日 23時) (レス) id: 1dfb8a393e (このIDを非表示/違反報告)
モノクロキャット - 感情移入しやすいので涙流しながら見ています。更新頑張ってください!応援してます!友達にも紹介したいのですが、いいですか? (2016年12月30日 20時) (レス) id: 9a013e2555 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - 夢見がちPさん» …確かに← 生きます!!!!!!笑 (2016年12月26日 23時) (レス) id: 8e5fc08d34 (このIDを非表示/違反報告)
夢見がちP(プロフ) - そるとさん» 死んだら更新出来なくなるから死なないで!!!(^ω^;);););) (2016年12月26日 9時) (レス) id: eb09c0480f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:塩味 | 作成日時:2016年7月3日 0時