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129. ページ37

時間は17時を過ぎて30分が経つ

あんずも完璧な人では無い

だから、別に約束を忘れたからと言って咎める、なんて事はする気も無いし、そんな必要も無い

と、思っていたのが10秒前


流石に何かあったのかと心配して校内を走り回って

まさかと思って訪れた武道場には

懐かしく愛おしい人と探していた人が居て

思わず思ってしまった


どうして彼の優しい視線をお前が浴びているんだ


俺との約束をすっぽかして、あの人の隣に居る

ふざけるな、嫌だ、どうして

彼の視線の先に俺が居ない?


そう思ってからの記憶は殆ど覚えていない

それ程、頭が混乱して自我を忘れていた

だけど唯一覚えている事がある


あの人の、怒った様な、軽蔑するかの様な眼


怖くて逃げたくて、走った

今1番心の安らぐ場所へと避難した、そのはずだったのに


肩を掴み押し倒す骨張った手

それと同時にふらつく身体

花壇が壊れる、草花が痛みで嘆く音が耳に届き

人を認識する前に感じる、懐かしい痛み

いいや、あの時よりも

重く、痛く、響く1発


「おい」


聞き覚えのある声

ずっと聞きたかった声、だけど

いつもと違って、優しさが感じられない



ごめんなさい、違うの、そうじゃないの
あなたの隣に居た事が羨ましくて
俺だってあなたの隣に居たいのに
あなたに声をかけて欲しかったのに

ただ





貴方「隣に…居たい…っ」




そう呟いた瞬間

身体を包み込む優しい暖かさと匂い

そして





鬼龍「悪かった…俺もだ…A」


貴方「…へ?」





今にも砕けそうな程小さな声が

しっかりと耳に届いた


気が付けば頬の痛みなんて何処かに消えて

心臓の痛みが強くなっていく

もう一度優しく俺を抱き締めたと思えば

ふわりと宙に浮く身体

慌てて足をバタつかせる


ふと、頬に落ちる小さな口付け





鬼龍「手当て…お前の練習室、行くぞ」





そう言葉を吐く彼の横顔は

"すまない"そう言った言葉の意味とは逆に


「この傷…俺が付けたんだよな…」




鬼龍「…」




何故か、満足気に微笑んでいた








この後練習室という密室で

俺は何をされるのだろうか



俺も、可笑しくなったのだろうか





"殴られても嫌じゃない"

なんて、思うなんて








,









.









鬼龍紅郎×武道場=歪んだ愛情

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夢見がちP(プロフ) - うおおおおおお!更新きたああああああ!! (2017年8月28日 9時) (レス) id: 4296378f20 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - モノクロキャットさん» コメントありがとうございます! 涙だなんて…嬉しいです。゚(゚´Д`゚)゚。 応援ありがとうございます(*^^*) 是非!よろしくお願いします~笑 (2017年1月1日 23時) (レス) id: 1dfb8a393e (このIDを非表示/違反報告)
モノクロキャット - 感情移入しやすいので涙流しながら見ています。更新頑張ってください!応援してます!友達にも紹介したいのですが、いいですか? (2016年12月30日 20時) (レス) id: 9a013e2555 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - 夢見がちPさん» …確かに← 生きます!!!!!!笑 (2016年12月26日 23時) (レス) id: 8e5fc08d34 (このIDを非表示/違反報告)
夢見がちP(プロフ) - そるとさん» 死んだら更新出来なくなるから死なないで!!!(^ω^;);););) (2016年12月26日 9時) (レス) id: eb09c0480f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:塩味 | 作成日時:2016年7月3日 0時

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