【あんスタ】純白の君へ【男主】

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貴方「居た…」



偶然に君を見つけたなんて、嘘だ

本当は君に逢いたくて、触りたくて、触って欲しくて

必死に君を探した


素直に成れない、優しい君を


さっさと座れ

雑な雰囲気と語尾でそう言い捨てた彼の隣の椅子に座り

近くなる距離に無駄に心臓が騒ぐ


俺に1歩近付き、ゆっくり耳を触る

何故だか身体が熱い


晃牙に触られる度に心臓が痛くて

それを忘れるが為に前の事を思い出す



俺、嫌われてたんだよなぁ

練習も上手く行かなかったし…

そう言えばあの時俺

晃牙に




大神「おい」

貴方「はいっ！？」




あの時と同じくらいの距離感

あの時の様な緊張、動揺


[俺はお前のことを好きになりたい]


頭の中でフラッシュバックされる

あの時の彼の言葉

良く覚えてる、今でも鮮明に

だって


凄く嬉しかったから


あんな優しい視線も言葉も口調も腕も

俺は知らなかった

あの時涙を流してしてしまったのは

怯えだとか怖さだとか、それもあったかもしれない

でも思うんだ


あの涙は安心と嬉しさだって




大神「っ…ぼさっとしてんじゃねぇぞ」




一瞬目が合って、すぐに逸らされてしまった視線

あの時とは違う

これは優しい目じゃない

見たことがある、見覚えもある

ファンの人から浴びる視線

いや…それよりも、もっと複雑な



晃牙が触れた所から広がる様に身体が火照っていく

ヒヤリとした針の冷たさ

あ、もうすぐだ

そう思った時、答えが出た



"欲求"




貴方「い"っ！」




自分が動いてしまったのが悪かった

耳たぶが少し裂けてしまう始末

見えてなくても分かる、じわじわ血が出ているのが


？！おいっ！！


晃牙の焦った声が聞こえて

あぁ…困らせてしまったと、謝らなくてはと

口が動く

でも、口から漏れた声は謝罪の言葉では無く




貴方「ッあ…！？」




自分のイケナイ声


原因は




大神「っ…まっず…」

貴方「ちょ、こ…うが？」




あ"？

何食わぬ顔でこちらを見ている晃牙が

耳たぶから滴る血を舐めたから

蘇る生暖かい温度にザラザラとした感触

また背筋を何かが駆け巡る


いきなりの出来事に頭がついて行かない

こっちはいっぱいいっぱいなのに



[で？]



ずるいよ




大神「お前耳…弱ぇんだろ…？」



そんな意地悪な笑顔で、高揚した目で

追い討ちかけてくるなんて


人が来なくて良かったね、晃牙








大神晃牙×安全ピン=悪戯の発端

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