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121. ページ29

久しぶりに見たアドニスの姿

何か嬉しくて、後ろから声をかけた

それが間違いだったのか


いきなり手を引かれ連れてこられた陸上部の部室は沢山の人の荷物が散乱していて

誰かが入って来てしまうのではないか、と気が休まらない

それに

俺を押し倒し熱い視線を投げているのはアドニスだと、頭でしっかり理解しているのに


数ヶ月前の記憶とだぶってしまう



貴方「ぁ…ドニス……ちょ、落ち着けってば!」

乙狩「暴れるな」



簡単に頭の上で拘束される情けない手首

あぁ、あの時もそうだった


Yシャツを引っ張られ弾け飛ぶボタン

まただ



乙狩「…お前……?」



服の意味をなさない、露わになる

自分の汚い身体


もう忘れたのに、記憶から抹消したのに



貴方「ごめん、なさい…っ、もう…許して下さい…っ」



記憶が無くても、感覚が覚えていた

重りが付いたように動かない身体

なのに、震えが止まらない

泣きたくなんて、泣こうなんて思ってないのに

ボヤけていく視界、こめかみを伝う涙


俺はこんなにも貧弱だったのか

俺はどうして

お前にそんな顔をさせてしまうんだ


途端、開放される手首

その手首を拘束していた彼の手はゆっくりと俺の頭を腰を包み

柔らかく、優しく抱き締める


すまない、そんな声が聞こえて



乙狩「お前は…Aのことは俺が守る。だからもう…1人で抱え込もうとするな
俺を頼ってくれ…お願いだ」



すがり付く様に抱き締める力を強める


丁度鎖骨の下あたりにある彼の唇

そのせいで、彼が話す度に息がかかる

唇が直接肌をかすめる


感情が、高ぶっていく



貴方「っ……ア、ドニス…」



あの時と似たような感覚

だけどあの時はこんな風に


触れて欲しい


なんて思わなかった



乙狩「!……A…」

貴方「アドニス…ごめん……あり、がとう」



思わず回した自分の手

初めて触った彼の髪の毛、熱い身体


暖かい…


彼には、もうバレているのかな

だって



乙狩「A…俺は何もしない…」



そうやって離れるフリをして

小さく額に口付けを落とす



貴方「うん……」



余計に心臓、ドキドキさせないで欲しい









"触って"



いつ言えるタイミングが来るかな









.









.









乙狩アドニス×部室=言えない本音

122.守沢千秋side→←120.乙狩アドニスside



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夢見がちP(プロフ) - うおおおおおお!更新きたああああああ!! (2017年8月28日 9時) (レス) id: 4296378f20 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - モノクロキャットさん» コメントありがとうございます! 涙だなんて…嬉しいです。゚(゚´Д`゚)゚。 応援ありがとうございます(*^^*) 是非!よろしくお願いします~笑 (2017年1月1日 23時) (レス) id: 1dfb8a393e (このIDを非表示/違反報告)
モノクロキャット - 感情移入しやすいので涙流しながら見ています。更新頑張ってください!応援してます!友達にも紹介したいのですが、いいですか? (2016年12月30日 20時) (レス) id: 9a013e2555 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - 夢見がちPさん» …確かに← 生きます!!!!!!笑 (2016年12月26日 23時) (レス) id: 8e5fc08d34 (このIDを非表示/違反報告)
夢見がちP(プロフ) - そるとさん» 死んだら更新出来なくなるから死なないで!!!(^ω^;);););) (2016年12月26日 9時) (レス) id: eb09c0480f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:塩味 | 作成日時:2016年7月3日 0時

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