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118.高峯翠side ページ26

水曜日の5限目、それはとても鬱で



高峯「はぁ〜…なんで体育なんて…」



なにをどう好き好んだら、こんな暑い中で運動なんてしなくちゃならないんだ…部活でもないのに…

今の授業は生憎バレーな訳で、当たり前のように蒸し風呂状態の体育館へと向かわなければならない

鉄虎くんに背中を押されながら嫌々足を進める昼休み

今まで知らなかった



貴方「…あ、久しぶり。体育か!頑張れよ」

高峯「…っス」



あなたがここを通る事

今まではあなたに会えるなんて無かった

それからだ

水曜日の昼休みが好きになったのは


水曜日になれば必ず会える

必ずあなたの声が聞けて、あなたの顔が見れる

こんな幸せな事無い

一週間の楽しみと化したその数秒


やっと来た水曜日の昼休み

いつもと同じ時間をかけて着替えて

いつもと同じ速度で歩く

そうすればほら


今日も、会えた


今日はどんな風に声をかけてくれるのかな

今日はどんな笑顔なんだろうか

踊り、弾む心

あと5m、あと3m

もうすぐ、彼の声が聴ける



高峯「え……?」



はずだった

見れなかった笑顔、聞けなかった声

こっちを、俺を見ずに下を向いたまま過ぎ去ってしまった

振り向いて見えたのはいつもみたいな背中じゃなくて

表情が曇る



高峯「ごめん、ちょっと俺次の体育休む」



聞こえるみんなの声はちゃんと耳に届いていた

だけどごめん、待てない、止まれないんだ

考える前に身体が動けって言うから

走れって、先輩の所へ行けって言ってるんだ


体育着だったのが丁度良かった

お陰で



高峯「っぶない…先輩」

貴方「…?翠…?」



全力疾走出来た

ふらつくあなたの身体を、抱きしめる事が出来た

そして気が付く

あなたがこちらを見てくれなかった事に



高峯「身体熱い…」



紅く染まる頬、額に見える汗

虚ろではっきりしない瞳


あー…運動後だから、かな?


そう言いながら目線を逸らす彼は嘘が下手だ

ごめんね、と俺の腕を解きまた歩き出す

でも、身体は正直で

彼の意思とは反対に力が抜けていく



高峯「…はぁー…あの、先輩」

貴方「大丈夫大丈夫、本当に何も無いから、元気元気!ね?」



引きつった笑顔に弱々しい声

言葉を2回繰り返すその癖









あなたが思ってる以上に









.









.









俺はあなたの事知ってます

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夢見がちP(プロフ) - うおおおおおお!更新きたああああああ!! (2017年8月28日 9時) (レス) id: 4296378f20 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - モノクロキャットさん» コメントありがとうございます! 涙だなんて…嬉しいです。゚(゚´Д`゚)゚。 応援ありがとうございます(*^^*) 是非!よろしくお願いします~笑 (2017年1月1日 23時) (レス) id: 1dfb8a393e (このIDを非表示/違反報告)
モノクロキャット - 感情移入しやすいので涙流しながら見ています。更新頑張ってください!応援してます!友達にも紹介したいのですが、いいですか? (2016年12月30日 20時) (レス) id: 9a013e2555 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - 夢見がちPさん» …確かに← 生きます!!!!!!笑 (2016年12月26日 23時) (レス) id: 8e5fc08d34 (このIDを非表示/違反報告)
夢見がちP(プロフ) - そるとさん» 死んだら更新出来なくなるから死なないで!!!(^ω^;);););) (2016年12月26日 9時) (レス) id: eb09c0480f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:塩味 | 作成日時:2016年7月3日 0時

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