【ヒロアカ】受動喫煙【男主】 (ページ14)

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14本目. ページ14

軽く混乱する頭を必死に動かして、やっと思い出した

｢八百万さん…だっけ、ごめんね前見てなかった。はいこれ｣
｢…これは？｣
｢飴、お詫びって事で、ね。じゃあこの後も文化祭楽しんで！｣

全体集会かなんかで見かけた姿と名簿を再生させ、思い出した名前と、偶然ポケットに入っていた飴玉に助けられた

少し頬を赤らめ、控えめな手で飴を受け取る彼女に軽く微笑みかけ手を振りその場を自然に立ち去る

隣に、アイツが居たから

そちらに視線を持っていかなくても分かる程に見られていた
それが怖くて、見れない

お前は今俺に何を思う？

自分から避けて、離れて、無視したはずなのに
自ら怖がったはずなのに

｢…｣

どうして俺はこんなにも残念がってるんだ

気色の悪い自分に気分が落ち、残りの道のりを日頃学校ではしない顔で歩く
誰かに見られたらきっと弁解が面倒だな

誰も居ない事を確認して生徒会室の扉を開けすぐに閉める

｢っ！……何｣
｢…｣

ことは出来なかった

苦しそうに上下する肩、ドアの隙間に入った上履きと扉を止める白い指
ゆっくりと上がる顔に心拍数が確実に上がっていく

俺を捉える強い瞳

幼さが残る視線を真っ向から見つめ返し、ニッコリと微笑みながらドアノブに手を掛け思いっ切り左へスライドさせる

ただ、年下と言えど向こうはヒーロー科様な訳で
不意をつこうが無駄だったらしい
傍から見ればおかしい事に気が付き、手の力を緩める

｢あんた｢いいから中に入れ｣

投げやりな言葉遣いと自分が引く程に低い声が出た
何とも言えない表情で素直に部屋に入る1年を前に、変な感情が湧く

俺の事嫌いな癖に、関わりたくない癖に

｢何しに来たの｣

どうして自ら俺に近付く？

｢あなたが…｣

どうしてそんな風に

｢俺を…見ていないから｣

｢…｣

被害者の顔してこちらを見てくるんだ

さっきまで殺気立っていた瞳はいつの間にか捨てられた仔犬の様に納まり儚い視線へと変貌を遂げていた

どうして俺をそんな瞳で見るんだ

｢何、俺が悪いの？｣

あぁ、イラつく