【ヒロアカ】受動喫煙【男主】 (ページ11)

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11本目. ページ11

欲しい

そうは思っても、どうすれば手に入るのか
何処まで押して良いのか
何も分からない

相手は1年で、オマケに俺を嫌ってて、関わるなとまで言われて
脈がなんてものがあるなら今すぐにでも迎えに行くさ
でも実際、そんな事ある訳ないから

自分で何とかするしかないんだ

どうすれば良いのか、なんて分からないけど
手探りでやって行くしか無い

なんて…俺は何を考えてんだ
一丁前に悩んで…

｢生徒会長｣
｢あ、ごめんぼーっとしてた｣
｢大丈夫ですか…？今日1日はずっと出ずっぱりですからあんまり無理しないでくださいね？｣
｢はぁ～い、ありがと｣

書記の彼女からテンプレな言葉をもらい、司会からマイクを受け取りステージへと歩く
聞こえる歓声に笑顔で手を振り、俺もテンプレ通りの挨拶をスラスラと述べて行く

俺の視線は、見つかるはずもないアイツを探していた

きっとアイツも、俺を見つめるはずなんだ
俺の事が嫌いだから
嫌いだから俺を睨んで、嫌いだからこそ姿を見つけてしまうものなんだ

何千の並ぶ人の顔は、昨日食べたセブンのおにぎりの米粒より小さい
だから、見つかるはずも

｢それでは、全校生徒一丸となって学園祭を盛り上げて、楽しんで行きましょう！｣

無かった

まぁそれはそうだ、2人の間に運命でも無い限り、人混みから見つけ出すなんて不可能だ

そんな事を考えるよりも俺はこれからの仕事の事を考えなければ
この後は各クラスの採点のために全クラスを10分程度で回って18時から会議で順位を決めて…
今日も帰れるのは22時過ぎそうだな、あぁ1本でもいいから吸いたい

イラついて、思考力が散漫している頭を軽く叩き、眉間を抑え目を硬く瞑る

優等生、何でも屋、マネキン、理想の子供、憧れの先輩、王子様

今まで色んな意味を持つ名前を付けられてきた
自分が望んでいなくたって幾つもの名前が勝手に出来上がって、そう呼ばれて

でも俺はそうじゃない

本当は

気になる相手にどう近付いて行けばいいのかも分からない程

｢…餓鬼かよ｣