アンドロメダ（quizknock）

２（kawakami）ごめんね ページ2

西野カナ／ごめんね





言いすぎたかな。
でも私だけじゃないし…


黙ったままで、せっかくのデートなのに。
こんなの、やだ。




「･･････」


「･･･もういい」



なんにも良くないのに もういい なんて言って、
それでも拓朗はだんまりを決め込むから私もムキになってしまった。





「もう知らない」



せっかく拓朗が用意してくれたレストランを飛び出した。




･･･飛び出したくせに、後ろを気にして待っている私。




ごめんねがいつも、言えなくて



たくさんぶつかり合うけど、
いつも拓朗から謝ってくれて本当に子供な私が嫌になる。




心の中ではこんなに ごめんね って思ってるのに口に出せないむずがゆい気持ち。




上着もレストランにおいて着たままだから、寒い。

はやく謝って、仲直りしたいのになかなか一歩踏み出せない。






「･･･はぁ、、ななか。」


「拓朗」




自分で勝手に怒って、勝手に飛び出したくせに拓朗の顔を見た瞬間涙がボロボロ溢れて止まらない。




「･･･おまたせ」


「･･･拓朗、怒って」


「怒んない」


「なんでっ…」


「好きだから」



思いっきり拓朗の方に引き寄せられて、ふわっと抱きしめられる。


あぁ、もう甘やかされすぎだよ私。



ギュッてされた瞬間の拓朗の匂いにクラクラしてもうなんでも良くなった。




「…たくろう、、、ごめんね。」


「…うん」


「いつも、いつもごめんね」


「…俺も」




俺も、って拓朗は何もしてないのに。



「子供で、バカで」


「うん」


「すぐ怒って、」


「うん」


「ごめんね言えなくて」


「…うん」


「いつも拓朗に甘えてばっかで」



「…ダメだよほんと私」




また止まったはずの涙が出てきて、拓朗を抱きしめる力を強くする。



ふふっ、と拓朗が笑って私の顔を見つめる。



「俺はね、すぐ怒るし、泣き虫だし、頑固だし？」



拓朗は何か考えるときいつも口元に手を当てて上を見る癖がある。



今もそうやって考えこんでから、



「でも、誰よりも可愛くて、俺の事知ってくれてるななかが1番好きなんだよ。」



って、少しだけ困ったように笑ってまた抱きしめられる。





「だから、そんな自分のこと嫌いにならないで。」


「…でも」


「俺が好きだって、言ってんだから。」




拓朗は、凄い。
拓朗がそうだと言ったらそうなんだと思う。


私達は少しだけ触れるキスをして、笑いあった。

３ （mizukami）君の恋人になったら→←1 （izawa）甘い朝

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す