【QK】丑三ミステリー (ページ33)

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・百々目鬼（どどめき）ページ33

side福良

「ぎゃー！！」
山本が叫んだ。山本が見ていたタコの足を見ると、吸盤があるはずの所には目が付いていた。前言撤回、あれはタコの足ではない。タコ版百々目鬼。
「普通に怖いな」
「なんでそんな冷静でいられるの！」
「感じた視線はコイツのかな…？」
「だから分析してる場合じゃないってー！」
八つの足(？)を、ぶんぶん振り回して僕らを襲う。少し当たったけど痛くはない。
…自分の足をとられて引き摺り込まれたときの事は、詳しく考えないでおこう。

一本の足が、水槽を蹴散らした。棚が倒れて水槽が割れていく。床で魚が跳ねていた。
「危なっ！」
「福良さん、避けるの遅いよ…」
悪かったな、これでも元バスケ部なんだが。
そのとき、散らかった水槽を見て閃いた。僕らは水槽の下は見ていない。もう一つの棚に御札はあるかもしれない！
「山本、水槽の下は見た！？」
「え…見てない！！」
太いタコの足(…？)を避けながら、二人で探し始めた。今、棚が倒れたらまずい。

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「ありました！ありましたよ！」
「山本ナイス！」
予想通り水槽の下に御札は置いてあった。
「何処に貼るんですか！？」
「わかんない！」
僕に聞かれたってと思っていると、山本がタコの足(…)に向かって走りだした。
(まさか…本体に貼るのか？)

そのまさかで、山本は御札をタコの足に貼り付けた。
ソイツはじたばたと暴れながら水になって消えた。…本当に水かはわからない。
「読みは当たってました！」
山本はニコニコしながら、僕を見て言った。
「何をするのかと思ったよ」

僕らはまた扉をあけた。