【QK】丑三ミステリー (ページ1)

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・つまらない悪夢ページ1

＊流血表現、痛い表現があります。
　見たくない人は見なくても大丈夫です。
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…どこだろうここは。
辺り一面黒でできているような空間に独り。灯りが何一つ無いが、自分の周りは見える。それでも闇に包まれている気分だ。
先に進んでみる。すると人が倒れているのが見えた。僕は駆け寄った。

モノトーンの長袖を着たその人は、山本さんだった。
「え…？」
向こうに他の倒れている人も見えた。見なきゃよかった。何も考えられなくて、山本さんを起そうとした。
「山本さん？」
いくら揺さぶっても起きない。
「山本さん！？」

「山本さぁ、っ_あ゛____…」

不意に、
後ろから何か冷たいものが、
体を通る感覚がした。

あつい。

こいつが皆んなを__
自分の事はどうでもよくなって咄嗟に振り返る。

涙を溜めた目で見た。

そこに居たのは、僕だった…

「こうちゃん」
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「こうちゃん…！」
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「こうちゃんっ！！」
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「起きろっ！！」

「うわああああぁぁぁぁ！？」

カバッと音が付くぐらい勢いよく顔を上げた。
…そんなことをしたもんだから頭が痛い。ちょっとぼーっとしていると、
「…うなされてたよ。悪夢でも見た？」
と河村さんが尋ねてきた。赤黒いのが流れた所を触る。あぁ生きている。

「__悪夢でしたよ。…自分が殺される夢なんて、見たこと無かったのに」
「それは悪夢だぁ…」
僕は不貞腐れたように呟いた。
「…どんな夢だったの」
「傷を抉る気ですか」
「知りたいじゃん」
なんて人だ…と思いながらも、僕は話した。
「山本さんが倒れてて、その奥には皆んなも倒れてて。僕が起そうとしたら…僕に刺されて」
「え、自分に？」
貴重な河村さんの驚く顔を見た。
「自分に」
「こうちゃんに？」
「だからそう言ってるじゃないですか」
「それは、それは本当に悪夢だったね」
心配してくれる河村さんも珍しいのではないだろうか。

「…まあ、寝不足には気をつけて。明日は16:00に集合だからね」
「はーい」

河村さんとの会話はここらへんで終わって、僕は中断していたパソコンとの睨めっこを続けた。
明日は金曜日、大がかりな撮影の日。