14日目 ページ23
by須貝
いつかこの廊下を通ったときは曇っていたな。と外の青空を眺めた。晴れてよかった。このナイスガイは太陽が似合う男と呼ばれるし、何より晴天が好きだ。
なんとなく自分に余裕ができて、落ち着いている。172を開ければアイツはまた寝ていた。
(起こすのはまずいかな…)
窓側の机には水が入ったタッパーが置いてある。流石に中身は食べてあるらしく、そのまま放置されていたであろう水は捨てた。そのとき。
「__誰…」
「お、起きましたかね。伊沢さんや」
ベッドの方へ戻ってみる。
「あー！須貝さんかぁ」
「なんだよ『須貝さんかぁ』って！」
「最近はいろんな人が来るんだよ。関係者だの番組だの」
「人気者じゃん」
会話が盛り上がり、2人で楽しく近況報告なんぞしているとせっかく持ってきた勇気が薄くなっていく。ダメだ、今日言わなきゃ多分もう言わなくなる。
「ねぇ伊沢」
「はい？」
「いや…
…あんたなんか隠してるよね？…あれの3日前だから、9月28くらいから。…教えてよ」
捻り出された声は震えていた。
「…心配させましたか。大丈夫ですよ、知らなくても」
伊沢はそう言ってへらりと笑った。悲しみと怒りが同時に湧き上がる。
「違うじゃん！」
気付けば両肩を掴んで伊沢に迫っていた。
「俺は知りたいの…。俺は、助けたいの…お前が、無茶、するから」
視界が歪んだ。
そうだった。俺は助けたいの
「辛そう、なのは、見てらんねぇ…」
「…
…みんなを呼んで。」
出てきた言葉は意外なものだった。
「…何人？」
「河村と山本と、福良とこうちゃんだけでいい」
今、居るかな…
［伊沢が呼んでる。来て］
それぞれにメールを送る。しかし何故…
「揃ってから話す」
作者から
CEOの観察日記、完結です。ありがとうございます！！
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作者名：MOKKA | 作成日時：2023年10月17日 8時
